経営: 2010年11月アーカイブ

日経朝刊の「私の履歴書」は、社会人になってからほとんどずっと読み続けています。創業経営者、●代目経営者、サラリーマン経営者、芸術家など執筆者はさまざまですが、どの分野であろうとも、一流となった人からは学ぶべきことがそれこそ無尽蔵にあるからです。

 

企業経営者の執筆が大半ではありますが、読んでいるといろんなパターンが見えてきます。最も大きいと思えるのは、戦争の経験です。最近は太平洋戦争を子供時代に経験した方の登場が多いですが、数年前までは従軍した方が大部分でした。何歳で戦争を、どのような立場で経験したかは、その後のその人の生き方に大きな影響を与えていように感じます。

 

もうひとつ気になるのは、自分以外にどのような人が実名で出てくるかです。学生時代の恩師が出てくる場合は、その人の人間性の原型が見えてくるような気がします。社会人になって以降は、大きく三つに分かれます。自分より有名、あるいは大物にかわいがってもらい知己を得て、成長できたというパターン。もう一つは、会社の上司や先輩、同僚、あるいは取引先に助けてもらいながら、一歩一歩成長してきたというパターン。最後は、関係者には触れながら(多くは実名出さず)、自分が苦労して成功したというトーンがありありと読み取れるパターン。

 

個人的には、二番目のパターンが読んでいてもっとも共感できおもしろく感じます。同じ事象でも、見る人によって異なるように見えるのは当然です。若いころは、すべての実績は自分のおかげと見えるのは、ある意味し方ないことなのかもしれません。それが、エネルギーを生み出すことにもなりますから。ただ、「私の履歴書」を書くような功成り名を遂げた人がそうだと、興醒めしてしまいます。もっと自分を客観視してもいいのではないかと感じてしまうのです。

 

スティーブ・ジョブズが将来自叙伝を執筆したとき、どんなトーンで書くのか、今から楽しみです。

 

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