誰もが習った景気循環の3パターン、覚えていますか?
1)キチンの波 約40か月 在庫変動に由来
2)ジュグラーの波 約10年 設備投資に由来
3)クグネッツの波 約20年 建設需要や世代交代に由来
4)コンドラチェフの波 約50年 技術革新の由来
最近、このような循環の考え方が景気変動だけでなく、身近な経営の場面にも応用できるのではと考えています。たとえば、こんなふうにです。
1)コンサルティング業界マッチポンプの波 約40か月
2)現場意思決定者世代交代の波 約15年
3)会社の寿命の波 約30年
4)破壊的技術革新に基づく生産性の飛躍的向上の波 約50年
1)は、魔法の杖を求める経営者と、その要求に応えることを生業としているコンサルティング会社の利害が一致したときに発生します。だいたい一つのコンセプトで3,4年は「食える」ということらしいです。
2)は、入社早々の若手が花々しく活躍する上司や先輩に憧れて、自分もそうなりたい(同じ美味しい目を味わいたい)という気持ちが潜在的に持続され、やっと自分もそれをできる地位にたどり着いたときに発生します。その時点では、かつての上司は自分の間違いに気づいているのですが、既に影響力は弱まり、かつての部下を諭すことはできません。現象として分かりやすいのは、繰り返し発生するバブルとミニバブルでしょうか。
3)創業者の清真な気持ちは、概して20年以上は続かないようです。うまく世代交代できればいいのですが、それも一般には難しく30年経過すれば並以下の会社になってしまう確率が高いようです。
4)過去をご破算にしてしまうだけの技術革新と、それをビジネスに適用し飛躍的生産性向上を図ることができる状況が、半世紀に一度程度訪れるようです。パラダイムシフトといってもいいでしょう。2000年頃のインターネット革命が直近のそれでしょう。
変化は必ずしも一方向ではなく、時間軸を広げてみれば必ず循環がある。そして、今、自分が直面している経営課題や経営上の環境変化が、果たしてどのレベルの循環に即しているものなのかを、しっかり自分の目と耳、頭を使って判別することがとても重要になっていると思います。情報量が飛躍的に増加しているので、迷いもそれだけ大きくなっているわけですし。
ところで、某国首相は今を「百年に一度の不況」と言ったそうですが、どのような歴史観のもとでの発言なんでしょうか。