ある方から、こんな言葉を教えてもらいました。
The
real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes, but in having
new eyes.
Marcel
Proust (French Novelist and Author,
1871-1922)
「発見の旅」の本質は、新たな景観を探しもとめることにあるのではなく、新たな視点を持つことにある。
マルセル・プルースト
発見を発明や創造、イノベーションに置き換えてもいいかと思います。世の中にないものを見つけたり、創造することができれば素晴らしいですが、天才でもなければほとんど無理でしょう。でも新たな視点を持つことは、案外できるかもしれません。
Out of Boxという言葉があります。えてして人間は、無意識のうちによく知った一つの箱の中で発想してしまう。そういえば、豊田佐吉もこういいました。
「障子を開けてみよ、外は広い」
これは外の世界を見ることの重要性を言っているのでしょうが、自分の箱の外に出ることも示唆しているようにも思えます。しかし、自分がどんな視点なのか、どんな箱、どんな障子の中にいるのかを知ることは非常に難しい。
ある企業で、事業部長の精鋭10人を集めて、新規事業開発のプロジェクトを研修の形で行いました。経営者は、既存組織の枠を取り払って、もう一段階上の視座からの提案を期待しました。しかし、事業部長にとっては、もう一段階上の視座といっても、見たことがないからわからない。どうしても、新製品開発のスタンスでプロジェクトを進めてしまうのです。それでは、今やっている仕事と変わりません。事業部の扱い製品を増やして売上を稼ぐという発想ですから。好意的に解釈すれば、隣接市場に、自社の強みが活きそうな製品分野をぶつけてみて、試行錯誤を繰り返しながら学習で、新事業を育てるというアプローチなのかもしれません。でも、それは経営陣がここで期待することではありません。
現在自分が得意な箱の中で成果を出している精鋭だからこそ、視座を上げ視点を変えるのは難しいのかもしれません。
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