3/27にご紹介した(http://www.adat-inc.com/fukublog/2009/03/cafe.html)「caféから時代は創られる」を、ゴールデンウィーク中にやっと読了しました。
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caf´eから時代は創られる 飯田 美樹 いなほ書房 2008-09 by G-Tools |
本を読む前に、著者から内容をお聴きしたという珍しいケースでしたが、いやはや、やはり本は自分の力でしっかり読まないとだめですね。全然、本質を理解していなかったことがわかりました。それだけ、刺激に満ちた素晴しい本でした。
いろいろ刺激を受けたのですが、今日は中で述べられている「偶発力」について書いてみたいと思います。
Caféにただ通えばいいのではなく、そこでの偶然の予期せぬ出会いを楽しみ、そのチャンスを自分のものにしていく力を、本書では「偶発力」と呼んでいます。
偶発力を活かした出会いを、さらに創造に結び付けるには、「着想力」が必要でしょう。私はそれを、「ある事実から知識や着想を得て、意味のある形で別の事実や知識と結びつけることにより、行動を促す新たなアイデア/知識を創出」する能力と定義しました。(「人材開発マネジメントブック」P73)
本書では、ピエール・ルヴェルディの以下の言葉で、着想力の重要性を紹介しています。
「イメージは精神の純粋な創造物である。それは、比較から生まれえず、多少とも隔たった二個の実在の接近から生まれる。近づけられた二つの実在の関係がかけ離れ、しかも適切であればあるほど、そのイメージはいっそう強烈で、いっそう感動と詩的現実性をおびるだろう。」(ここでの「接近」は、着想とほぼ同じ意味だと思います。私が言いたかったことは、こういうことでした。)
このような、偶発力や着想力(本書では、着想力という言葉は使われていませんが)を可能にするのは、何でしょうか。
野中郁次郎さんの言葉を引用しながら、
「出会いがあっても、それをどうつかみ、どう生かすかという偶発力がなければ創造にまで導かれるわけではないということである。ところで、偶発力をつけるためには、『小さなことでも見逃さない直感、それに偶然に起こる現象に心を開いて受け入れること』が大切である。」
と著者は述べています。それを促す「場」が重要であり、それがcaféなのです。これも同感です。
私は人材開発の文脈で着想力について考え、本書の著者の飯田さんはcaféという「場」(その構造も含んだ)の文脈で偶発力を考えたのです。
同じ山を別のルートで登っていたのが、ある時ばったり出会った、そんな楽しさと興奮を、本書を読んで味わったのでした。
飯田さん、ありがとうございました!
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