今の政治家を生みだす仕組み

今回の松本復興担当大臣のドタバタ劇を見るにつけ、あらためて政治家は我々一般市民と別の世界で生きていることが実感させられます。あり得ない言動の例をあげるのがばかばかしいほどです。

 

でも、彼を選んだのは官総理であり、また選挙で支持したのは国民です。結局国民のレベルが低いから政治家のレベルも低いのだという意見も、一見的を射ているようにも感じますが、果たしてそうでしょうか?

 

私は、「仕組み」の問題だと思います。一票の格差とか小選挙区制とか、そういうことではありません。これらは地域間の問題にしかすぎません。現在の日本では、地域格差以上に大きな問題は世代間格差ではないでしょうか。それを促しているもののひとつは、終戦直後から変わっていない、選挙方法です。

 

日曜の昼間に投票所にいきやすいのは誰でしょうか?TVでの政見放送や選挙カー、看板、ポスターといった政策広報手段で、いったいどれだけの人が候補者の力量や政策を理解できるでしょうか?果してこのやり方は公平なのでしょうか?民意は政治に反映できるのでしょうか。

 

低下を続ける投票率を100%にするために、どれだけの改革が試みられたでしょうか?投票率を上げることが、民主主義の基本中の基本だと思います。

 

結局政治家とは、どうすれば選挙で勝つかしか考えません。だから全体の投票率は問題ではないのです。現在の仕組みであれば、投票率が高く、かつ絶対数でも多い高齢者にやさしいことしかできません。それが、世代間格差を生んでいるのではないでしょうか。

 

もちろん高齢者対策は大切です。しかし、これから60年この国で生きていく人と、20年生きていく人で、どちらが短期志向に陥りやすいか、どちらが長期的視点で投票するか、言わずもがなではないでしょうか。(もちろん個人差はあります)

 

原発事故は、図らずもその問題を俎上にあげたのではないかと、私は思います。

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このページは、福澤が2011年7月 6日 10:17に書いたブログ記事です。

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