日本では、どこの地域にも祭りがあります。もともとは、稲作の収穫を神様に感謝するために始まったのでしょうが、それが人々の生活にメリハリを与え、円満な社会を築くのに役立っていたのでしょう。
普通に、都会で会社勤めなどしていると、季節感はもとより生活にアクセントをつけることも難しいと思います。しかし、人間にはメリハリやアクセントが必須です。最近は、都会でも祭礼が盛んになっていますが、これは社会の絆が弱まっていることの反動だという気もします。
私は謡を習っていますが、年に一回、弟子の発表会(浴衣会)があります。それが先週の土曜、師匠の別荘の八ヶ岳能舞台で開催されました。私のような、いい加減な弟子は、この年に一回だけの発表会にでも参加しないと、続かないような気がします。逆に言えば、適度な頻度で自分を追い込んだ(というほどでもないですが)ほうが、継続できるということなのです。浴衣に袴をはき舞台に上がる前までは、不安と緊張に襲われますが、(下手だったとしても)終わったあとの開放感は、なんとも言えない心地よさがあります。私たち(三人で連吟しました)は、二番目の出演だったので、その後は他の方の演技をゆっくり楽しむことができました。
仕事でももちろん緊張することは多々ありますが、その緊張感とは少し違うものを、この舞台では感じます。その差は何なのか、うまく説明できません。でも、そういう異なる種類の緊張感を、適度に味わうことは、人間にとってとても必要なことのように思います。
それを、一言でいうとメリハリというのでしょうか。メリハリのコントロールも、忙しいビジネスパーソンにとって必須のスキルかもしれませんね。
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