ある友人(女性)が嘆いていました。
彼女は、某大企業からその子会社(女性が多い職場)へ役員として出向していました。当初はテキパキと自分で判断して決めてきたのですが、ある時部下の意見をできるだけ聞いてから決めるようにと変えたそうです。でも、いくら尋ねてみても、自分の意見をなかなか言わない部下(40代男性)に非常に手を焼いたとのこと。そこで意を決して、その部下になぜはっきり意見を言わないかを直接問いただしたそうです。すると、
「僕は、聞かれるたびに●●さんが期待する答えを一生懸命考えてみるのですけど、なかなかわからないんです。そうこうしているうちに、●●さんがいらいらしてくるのが分かるし、余計わからなくなってしまって、・・・。本当にすみません」
と答えたそうです。彼女は愕然としました。彼自身の意見を尋ねていたのに、彼は彼女の期待する答えをしようと、必死だったのです。
彼女は私に言いました。
「男って、組織の中では周囲の意見や空気に、いかに合わせるかばかりを考えているのね」
私は否定しました。それは男性だからではなく、その人個人の問題じゃないですか?不適切な一般化はやめてください、と。
でも、彼女は意見を変えるふうではありません。言った私も、自信が持てなくなりました。だとしたら、男ってつらいな。
一昔前は、女性は男性の顔色を伺って生きているようなところもあったと聞きます。ところが、今や、女性はわが道を生き、男性は多くの荷物を背負って、周囲の空気を読みながら、なんとか無難に生きていこうと努力している。そんな世の中なのでしょうか。
寅さん、男はますますつらくなっていますよ。
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