誰でも、記憶に残る映画やドラマなどの映像作品があると思います。私の場合、まず挙げたいのが、小学校低学年の頃にTVで観た映画「冒険者たち [DVD]」
ジョゼ・ジョヴァンニ
です。ネズミが主役のアニメじゃないですよ。リノ・バンチュラとアラン・ドロンが主役のフランス映画です。名曲「レティシアのテーマ」とともに、鮮明に記憶に残っています。なぜ、それほど印象深かったのか、今でもよくわかりません。
それと、80年3月放送の向田邦子脚本NHKドラマ「あ・うん」です。これは今でも非常に有名な作品ですが、彼女が描く微妙な感じに、強くひかれます。81年に向田邦子が飛行機事故で亡くなったので、余計に強烈に残っているのかもしれません。それと、81年から放送された早坂暁脚本の「夢千代日記」。挿入歌のあがた森魚「赤色エレジー」も鮮烈でした。
なぜ急にこんな昔のことを思い出したかというと、実は先週の金曜日21時から、やはり昔好きだった作品がある映画館で上映されると知り楽しみにしていたのですが、満席で入れなかった、ということがあったからです。それは、1978年NHKで放送された佐々木昭一郎演出「四季・ユートピアノ」です。
佐々木の演出は独特です。ドキュメンタリーと芝居の中間といった感じです。また、使われる音楽が非常に効果的に繰り返され、映像と一体となるようです。
私もこの作品を観てから、マーラーの交響曲第四番が好きになりました。
今回上映されたのも、「佐々木昭一郎というジャンル」というタイトルで1週間だけ彼の4作品が公開されたのです。こんなニッチな作品、しかも21時からということで安心していましたら、なんと前売りで完売だったのです。やっぱり、私以上の熱狂的ファンがたくさんいるのですね。
しかし、本当に魅力的で不思議な作品です。その魅力を言葉で表現するのは困難です。20年くらい前に、横浜にあるNHK放送ライブラリーまで観に行ったほどです。
「冒険者たち」はともかく、他のドラマはそれも私が中学生から高校生の頃に観た作品です。その影響で、一時はNHKのプロデューサーになりたいと思いました。ちょうどその時代にすぐれた作品が多かったのか、それとも私の感性がその頃鋭敏だったからなのか、理由はよくわかりません。
いずれにしろ、それらの作品に大きな影響を受けたことだけは確かでしょう。
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