先週の金曜日の夜、旧富士銀行の同期会があり参加してきました。私のように辞めている人も含め、非常に多くの同期が集まりました。
もう20年以上も会っていない同期とも再会し、なんとも入行当時に戻ったような楽しさでした。不思議なほどの結束力です。やはり、大学を卒業し初めて社会人としての第一歩をともに踏んだ同期は特別だと、つくづく感じ入りました。
何でも、不安や期待で心が敏感になっている、「初めて」の時間を一緒に過ごした人々との関係は特別ですね。中学や高校も、最初のクラスがもっとも記憶に残ってますし、大学や大学院でも、最初のイベントやグループで一緒だった友人とは、固い絆で結ばれていたように思います。
その中でも特に、学生から社会人への転換は、もっとも大きなイベントだったと思います。それゆえ、いまだに銀行同期の結束は固いのでしょう。私にとっての大きな財産です。
ところで、昨日人材開発担当者向け一日セミナーで講師を務めました。最後は、受講者それぞれの人材開発にかかわる課題を、皆で検討するというプログラムです。そこで、ある教育系企業の方が、新卒社員がすぐ辞めてしまうという課題を挙げられ、討議しました。自社内だけで考え込んでいても、なかなかいい知恵は浮かんでこないものですが、全く関係ない会社の同じ人材開発担当の方々からは、過去の呪縛などには捉われないとても良いアイデアが出てきたと思います。
詳細は書きませんが、新卒社員にとって最初の職場は、人生を変えてしまうほどの重さを持っているということを、そしてかつての自分もそうだったことを受け入れる側の先輩社員が認識することが大切なのではないでしょうか。そうすれば、職場で良い関係性を築くことができそうに思います。
自分が新入社員だった頃の柔らかいあやうい気持ちは、日々の業務の中で忘れてしまいがちです。でも、新入社員が入った時期は、それを思い出すいい機会だと思います。世阿弥の「初心忘るべからず」という言葉は、最初に舞台に立った時の醜い自分、その時の気持ちを忘れてはいけないという戒めです。新人の姿が、先輩の先生にすらなり得るのです。
富士銀行の良き同期との楽しい時間を思い出しながら、そんなことを思いました。
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