職場のにおい

どんな会社を訪れても、そこの職場特有の「におい」を感じることができます。それは私固有の能力ではなく、皆さんそうだと思いますが、あまりそのテーマで話しあったことはありません。

 

最初にそれを感じたのは、新卒で入った銀行でのできごとでした。新入行員研修の一貫として、取引先を訪れて、そこの社員に対してクレジットカードやカードローンといった個人向け商品の営業を行いました。ある再建途上の会社を訪れたとき、ドアくぐると同時に暗い、湿った空気を感じたのです。節電のため、蛍光灯を間引いていたのかもしれませんが・・。社員の方の表情も暗く、時間の流れ方が、その中だけ違うように感じました。

 

 

その後、コンサルティング会社時代(もう15年以上前のことなので記憶違いは勘弁ください)、当時大型スーパーの覇権を争っていたIY社とD社を同じ日に訪れたことがあります。IY社本社に入ったとたん、張り詰める緊張感を感じました。ただ、決していやな緊張感ではありません。社員は全員真っ白のシャツ(ストライプもなし)で、髪も短く刈っていました。机は全員同じ方向(お客さんが通る側)を向いていました。しかも、机上には電話以外何も置いていません。「整然」のにおいです。集中することから生まれる、心地よさのようなものを感じました。

 

次に、D社本社を訪れました。驚いたことに、さっき行ったIY社と全てが正反対です。服装も髪型も、動き方もばらばらでした。でも、共通なのは皆エネルギーレベルがすごく高いことです。こちらも、いやな感じどころか、元気をもらったような気がしたものです。

 

両社の「におい」は、経営スタイルそのものでした。組織って面白いなあと思いました。その後、初めて訪れる会社にいくと、まず「におい」を探してしまうようになってしまいました。

 

 

「におい」は経営の結果生じるものでしょう。「におい」を誘導することはできるのでしょうか。つまり、結果ではなく原因にする。人間は「型」や環境に適応するものです。それゆえ、もし好ましい「におい」が発生するような仕掛けをつくることができれば、おのずと職場も会社も変えることができるかもしれません。

 

あなたの「職場のにおい」はどんな感じですか?

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このページは、福澤が2010年6月29日 18:49に書いたブログ記事です。

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