わかっていなかったということがわかる

昨日、財団法人九州生産性本部のご依頼を受け、「人材開発マネジメント ~今、求められる経営戦略とリンクした人材開発~」というテーマで、三時間半のセッションを福岡で行いました。九州各地の企業から人材開発担当者や責任者が集まる、半年間の人材研究会の初っ端を仰せつかった次第です。日々、人材開発の問題でご苦労されている方ばかりですので、私も大変刺激になりました。

 

このような会のいいところは、同じような経験や課題を抱えている現場の方同士で学びあえることです。冒頭で、以下を申し上げました。

 

「よい(Good)クラスでは、それまでわからなかったことがわかるようになる。

偉大な(Great)なクラスでは、わかっていると思っていたことが、実はわかっていなかったとわかる。」

 

これは、つい先日、慶應ビジネススクールの清水勝彦教授から、聞いた言葉です。早速使わせていただきました。

 

経験豊富な方々を相手にする場合には、この意識が非常に重要だと思います。多くのビジネス日々の業務の中で、なかなか立ち止まって深く考える余裕を持てません。なので、なんとなくわかった気になって進んでしまう。でも、実は本当にそうなのかと、立ち止まって考えるといろいろな疑問が浮かんできます。

それは、外部の人間や他社の方々との対話の中で芽生えてくるものです。そういう疑問を抱くことが大切です。適切な疑問を抱けば、それがきっかけなって

また日々の業務の中での体験学習が進むはずなのです。

 

本も同じですね。すぐ判る本は、すぐ忘れるものです。逆に、何かもやもや引っかかりが残る本は、頭の中に残り続けます。本当の読書とはゴールではなくスタートなのです。

 

昨日の参加者のお一人が、私の書いた「人材マネジメントブック」を読んで下さっており、その方から、「それまでややマンネリ感から行き詰まりを感じていたが、本を読んでこれまでやっていることが整理された。」と声をかけられました。経験が整理されることによって、新たな一歩が踏み出せることがあります。そんなお役に少しでも立てれば、こんな嬉しいことはありません。

 

課題を抱えて、それをなんとかしたいと強く願っている方々との対話は、非常に勉強になり刺激にもなります。こういう機会を頂き、大変感謝しています。

 

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このページは、福澤が2010年5月28日 10:21に書いたブログ記事です。

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