日本には世界に類を見ない「顔学会」というものがあるそうです。つまり「顔学」がある。先日の「爆笑問題の日本の教養」で初めて知りました。<?xml:namespace prefix = o />
確かに顔って不思議です。たとえば、俳優などが売れていくと、TVで見る顔がみるみる変わっていきます。懐かし映像で、昔の顔を見たりすると、その違いに驚きます。
なぜ変わるのか。原島博東大名誉教授によると、環境によって顔は変わるそうなのです。もちろん、表情が変わるとか、メイクや髪型などの装飾も影響はするのでしょうが、つくりそのものも変わるとは!?職業別の平均顔なるものを見ると、確かにそれらしい顔となっています。もともと、そういう顔の人がその職業に集まるということもあるでしょうが、環境に適合するように変化するのでしょうか。「40過ぎたら自分の顔は自分の責任」という言葉も、それを裏付けるかのようです。最近日本でも浸透しつつあるFacebookも、そういう文脈で考えれば、よくできたサービスかもしれません。
もう一つ興味深かったのは、「顔は相手との関係性によって変わる」というものです。見る人の内面が、相手の顔の見え方に影響するというのです。つまり、見えている顔とは、単なる物理的な形ではなく、見る人が造りあげた像なのです。社会構成主義みたいに、客観的な真実はなく、社会(見る人)との関係性が意味付けをするのです。
これは、能や文楽を観ると、確かにそう感じられます。物理的な能面や人形の顔は変化しません。(せいぜい、文楽人形の眼や口が開く程度)しかし、観る方が、そこに膨大な情報を注ぎこみ、豊な表情を確かに見るのです。そのような想像力を引き出すのが、能役者や人形遣いの技です。
このように考えていくと、いかに自分が見ている(と思い
こんでいる)ものがいい加減かという思いに至ります。人は(客観的に)見ているのではなく、見たいように(主観的に)見ているのです。つまり、すべては関係性が決めている。そして、関係性に大きな影響を与えるのは、感情です。やはり、感情をうまく御す(抑えるということだけではなく)ことが、大切なのですね。
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