遊びと学びと仕事

先週の土曜日、「サードプレイスコレクション2010というイベントに参加してきました。家庭でもない、職場でもない、「第3の場」の可能性について考えるというパーティーです。そこで、私が考えたのは、遊びと学びと仕事の関係についてでした。

 

一般に、「学び(勉強)」の反語のひとつは、「遊び」でしょう。また、「仕事」の反語のひとつも、「遊び」でしょう。すると「遊び」=「仕事」といえなくもないですね。(かなり、こじつけですが・・)

 

そこで、「遊び」とはなんだろうかという疑問を持ちました。すると、たまたま聴いていたFMラジオで松尾貴史氏が「遊び」の定義を話していました(誰かの受け売りだそうですが)。曰く、

 

「遊び」は4つの条件を満たしている。

1)    めまい:ジェットコースターに代表される不規則な身体的刺激

2)    物真似:ままごとに代表される何者かになりきること

3)    偶然:人生ゲームやギャンブルに代表される不確実性にさらされ、スリルを感じること

4)    競争:鬼ごっこやかけっこに代表される他者との競い合い

 

確かにどんな遊びも、何らかの形で4条件を満たしているような気がします。たとえば、私の謡の稽古も一種の遊びです。大きな声を出すことより、軽いめまいを覚えることもあります。もちろん先生を真似ることがベースであり、稽古仲間の進歩を意識するということは、実は競っているのかもしれません。謡い方の基本ルールはありますが、状況により変化することも多く、未熟な私から見れば偶然性に依存しているようにも思えます。この遊びの4条件を満たすから、謡も遊びとしてわくわくし楽しめるのかもしれません。

 

このような「遊び」から、学んでいることは確かです。子供は遊びから、社会生活の要素を学びます。学びが仕事に役立つこともきっとあるでしょう。そして仕事が充実すれば、遊びにも力が入ろうというものです。

また、反対の回転もありそうです。仕事を通じて学び、学びのプロセス自体が遊びになっていき、遊びの中から仕事のヒントがうまれるというサイクルです。

 

どちらにしても、遊びと学びと仕事は対立概念ではなく、それぞれ補完し合うものだと考えるべきでしょう。そうなると、先ほどの遊びの4条件を、学びや仕事にも適用してみたくなりますね。

 

ところで、土曜のパーティの帰りに、プレンゼンターの一人だった上田信行さんの著書「プレイフル・シンキング」を見つけ買いました。そこにこういうフレーズがありました。

プレイフル・シンキング
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プレイフルとは、物事に対してワクワクドキドキする心の状態をいう。どんな状態にあっても、自分とその場にいる人やモノを最大限に活かして、新しい意味を創りだそうとする姿勢(中略)。プレイフルな状態を生みだすための思考法が、「プレイフル・シンキング」である。(中略)

 

人生を楽しく豊かにしてくれる一番の経験は、「学び」である。学びとは、学校や本での勉強ではなく、人やモノとのかかわりにおいて自分の頭で考え、発見し、創造していく学びのことだ。日々の実践を通して人は学んでいくのだと考えれば、働くということもダイナミックな学びの場だといえる。そして、楽しさの中にこそ学びがある。

 

「プレイフル・シンキング」とは、遊び心のことかもしれません。学びも仕事も、何事も遊び心をもってのぞめば、楽しく前に進んでいけそうな気がします。

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このページは、福澤が2010年1月26日 10:30に書いたブログ記事です。

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