スマートHRD養成講座(第三回):旭化成㈱を題材にして

昨日、日本CHO協会主催「スマートHRD養成講座」の第三(全四回)回を開講しました。企業で人材開発に携わる方々のレベルアップを図ることを目的とした講座です。一貫したテーマは、「経営戦略遂行のために人事・人材開発が何をすべきか」です。

 

初回は、拙著「人材開発マネジメントブック」(日本経済新聞出版)の内容を、ざっとインタラクティブレクチャー形式で行い、第二回は「花王―研修取組2006」というKBS開発ケースをつかって、ケースメソッドを、そして昨日の第三回はライブケースとして、旭化成㈱の事例を取りあげました。

 

 

同社労政・人事部長の元田勝人さんに来ていただき、「旭化成におけるグループ人事マネジメント」というテーマで約45分間講演いただいた後、三つの設問を提示しました。設問を簡単に書くと以下です。

 

1)分社化(2003年持株会社制に移行)に伴い,各事業会社独自の専門能力開発と、グループ全体で必要な能力開発をどうバランスとっていくか

2)求心力を高めるため、経営理念の浸透をいかにはかるべきか

3)グローバル展開加速に向けて、どのような目標と施策を打ち出すべきか

 

そして、グループごとに検討、発表し、元田さんも交え対話を進めました。

 

 

意見の詳細は書きませんが、会社や立場こそ違え、本質的な課題は多くの企業で共通だということがよくわかりました。受講者の皆さんは、「うちも全く同じなんだよな」などと言いながら、熱く発言されていました。皆さん、いくつかの共通するトレードオフに悩んでおられるのです。

 

問題の本質は共通でも、様々な理由により対応の方向性や打ち手、その反応は、会社によって異なります。なぜ、異なるかを認識することが、自社の特徴や状況を浮かび上がらせることになります。

 

ずっと企業の中で議論していても、なかなか自社のことは見えないものです。深い検討を進めるには、一度客観視してみることが必要で、そのためには、同じような問題意識を持った外部の人たちと対話することが最も効果的なのだと思います。

 

東大の中原さんではないですが、シリアス・ファンで対話するこういう「場づくり」を、もっともっとやっていきたいですね。

 

 

私の拙いファシリテーションではありましたが、最後に元田さんから、「今日はいろいろヒントをいただいた」とおしゃっていただき、少しほっとしました。(元田さん、ありがとうございました)

 

なお、次回(最終回)は、他社ではなく受講者自身の会社の経営課題を題材にして、対話を行います。みんなで真剣に知恵を絞り、具体的なアイデアを生み出す場にしていきたいと思います。

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このページは、福澤が2010年1月21日 12:50に書いたブログ記事です。

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