独学の精神

本日の日経朝刊、スポーツ欄のコラム「フットボールの熱源」に、こうありました。

 

あるJリーグの中心選手のこんな嘆きを聞いた。「うまくないたいと思っているのだけど、どこに問題があって、じゃあ何をどうしたらいいのかと、自分で考えないプロがいるんですよ。そういう選手を見ていると、もったいなあと思う」(中略)

 

サッカーについて、奥行きのある話のできない選手がわりと多い。それは普段サッカーについてとことん考え抜いていないからではないか。サッカーは監督やコーチが教えてくれるものと思っているのではないか。(中略)

 

選手の独学精神を育むことこそ、指導者の最も大事な仕事なのではないか。

 

 

これを書いている吉田誠一記者のサッカー記事には、以前から気になっていましたが、やはり面白い視点です。

 

Jリーガーですら、「学校の生徒」みたいになっている。いわんや、ビジネスパーソンをや。上司や先輩が自分を育ててくれると、待っているのでしょうか。

 

このコラムで一番共感したのは、最後のフレーズです。指導者とは、指導することよりも、選手が自分で学ぶように躾けることだと言っている点です。

 

 

数日前の「カンブリア宮殿」で、劇団四季の浅利慶太氏が、オーディションで何を見るのか?との質問にこう答えていました。

 

「部屋に入り、名前を述べた時点で、だいたいの才能はわかる。歩き方で、骨格や体の使い方がわかるし、話せば声量や声の質はわかる。しかし、わからないのはどれだけ根性があるかどうかだ。これが重要なのだが、取ってみなければわからない。」

 

そういう所には才能あふれる人しか集まりません。何がその後の成功を決めるかといえば、運と根性なのでしょう。根性は、独学精神にも通じる気がします。世界は違いますが、イチローにしろ、松井にしろ、有り余る才能に強烈な独学精神を持っているのは明らかです。

 

スポーツや演劇の世界であろうが会社であろうが、独学精神を育むことは、ものすごく大変でしょうが、「学び方を学ばせる」ことなら、なんとかできそうな気がします。そんなところから、地道に始めるのがいいかもしれませんね。

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このページは、福澤が2010年1月20日 15:15に書いたブログ記事です。

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