スタイルを見つけるための対話とその材料

ハイパフォーマー、コンピテンシーなど、数年前には非常に話題になりました。最近は、あまり聞かないような気がしますが。社内で高い成果をあげている個人の行動特性を、抽出して、採用や育成、場合によっては評価にまで活用しようというものだったと思います。

 

しかし、いうまでもありませんが、優秀なAさんのやり方や考え方を真似れば、成果が上がるというようなはずもありません。人には、人それぞれ自分にあったスタイルがあるはずですから。そういう、優秀者の型にはめようとして、失敗した企業も実は多いのではないかと思います。(そういう事象は、あまり表には出てきませんが)

 

そんなことより、自分にあったスタイルをどうやって見つけさせるかが、重要だと思います。そのためには、自分自身の過去の経験や失敗などを振り返ってみる必要があるでしょう。そこでは、他者とのダイアローグが有効です。

 

ただ、内省だけでは、成長イメージがわかないでしょう。そこで、ロールモデルの存在が重要になります。理想は、ある一人の上司が、それであることでしょう。しかし、それは現実には、難しいことです。

 

そこで、ある突出した実績を上げた人たちの成功要因を分析するのです。そこには、行動・思考特性もノウハウも、いろいろ入ってくるでしょう。それを抽出して、真似することが目的ではありません。抽出された要素を、材料として、対話をするのです。そこでは、「こんな真似は私にはできない」だとか、「こんなだけなら、私もできそう」などと、他者との対話の中で、自分のスタイルや価値観にあった方法を、イメージしていくのです。

 

やはり、ここでもダイアローグが重要ですが、ポイントは対話する際のネタ、材料です。材料の工夫次第で、内省しかつ成果を高めるためのヒントをつかむことも可能になるはずです。あとは、それを実行し、体験学習のサイクルを回すことです。

 

このように、コンピテンシーモデルを作り、それを社員に示せばすむという時代から、もう一歩も二歩も進んで、自らのスタイルを見つけ持論を生みだすことを支援する時代に入りつつあるように感じています。

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このページは、福澤が2009年11月 5日 19:23に書いたブログ記事です。

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