現在の世界の最大の特徴は、不確実性ではないでしょうか。あらゆる施策や行動は、不確実性を所与として組み立る必要がありそうです。これは日本においては、ちょっと大げさかもしれませんが、戦国時代以来のことかもしれません。
このような時代におけるリーダーのあり方について、一橋大学の野中郁次郎名誉教授が書いておられました。(日経ビジネス09/10/12号)
■賢慮型リーダーとは
賢慮を備え、絶えず変化する現実に即して仮説の立案と実践による検証を無限に繰り返すプロセスをマネージする。そして、現在よりも良い未来の創出につながるイノベーションを起こす。
■ 賢慮型リーダーに求められる6つの能力
1) 多くの人に受け入れられるコモングラッド(共通善)の達成に結びつくような目的を設定する
2) 知識や知恵を生みだす相互作用を促進する「場」をタイムリーに設ける
3) 変化し続ける現実を凝視し、その背後にある本質を直感的に見抜く洞察力を持つ
4) 直感的に見抜いた本質を概念に転換する
5) 概念を大きな物語に仕立て、それを周囲に語って説得し、実行に移していく政治力を持つ
6) 自分の能力を、実践を通じて組織の中に広げ伝承していく
■ 賢慮型リーダーを育成するには
哲学や歴史、芸術、文学といった幅広い分野の教養を身につけさせる。さらに、限界に挑戦するような修羅場を経験させる。そして、最も重要なのは、手本となる人と体験を共有させること。その立ち振る舞いを体得しつつ、自ら手本を超える職人道の場。そのためには、新しい徒弟制度をつくる必要がある。
うーん、いずれも深い言葉です。全くもって、納得させられます。ものすごくハードルは高いですが、ひとつ言えることは、日本の伝統に沿ったものだということです。やはり、案外ヒントは身近にあるのかもしれません。
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