今週月曜から、いよいよNHK教育TVで、「連続人形活劇 新三銃士」が始まりました。脚色の三谷幸喜さんと同様、「新八犬伝」で育った身としては、思わず力が入ります。
三谷さんは、この作品で訴えたいことは「関わろうとする力」だと述べていました。しかも、あえて「関わる力ではなく」と前置きして。
私が勝手に解釈するに、「関わる力」とは、「関わることを可能とするのに必要な力」という意味でしょう。具体的には、コミュニケーション能力だったり、情報収集・発信力であったり、相手の考えを読む力、質問力などなど、ビジネス書売り場に行けば、いやというほど積まれている本のタイトルのようなものです。
もちろん、こういったスキルはあるに越したことはありません。でも、それ以上に大切なものは、「関わろうとする力」だと三谷さんは言っているのでしょう。
どれだけスキルを修得しようと、本を読み漁り、自己啓発系セミナーに通ったところで、得られるものはたかが知れています。(逆にあまりに、期待が大きいと、獲得できない自分を責める傾向があるそうです。アエラ先週号の勝間VS香山対談は必読!)
そんな表面的なエネルギーの使い方をするより、「関わろうとする力」を呼び覚ますことのほうが、はるかに重要です。そして、関わろうとするプロセスの中から、否応なく「関わる力」が付いてくるのだと思います。
(以前も書いた気がしますが)「凡庸な教師はただ、しゃべる。良い教師は説明する。優れた教師は、自らやってみせる。そして、偉大な教師は心に日を点ける。」と、ウィリアム・アーサー・ワードも言っています。
子供を対象とする人形劇の脚色家としては、とても素晴らしい視点だと思います。でも、どうやら三谷さんは子供の教育的視点というよりも、大人になりきれず「こもっている」若者(いったい何歳まで??)を見据えての発言のようでした。
肉体的にはこもっていないとしても、精神的にはこもっている大人はたくさんいることと思います。もしかしたら、自己啓発本の読者もそうかもしれません。
目先の損得に振り回されず、「新三銃士」でも観て、「関わることの喜び」を体感しようじゃないですか!
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