世の中検定ばやりです。漢字検定から始まって、京都検定くらいまでは、新鮮さもあったのですが、いまや何でもかんでも検定で、どれだけあるか想像もつきません。正直言って、もう検定は結構という印象でした。
検定はうけるものとしか考えませんが、検定試験を作成する立場になったと想像すると、また違った世界が見えてきます。
ある企業で、内定者向け研修として、「自分検定」をそれぞれが作成し、他の人に回答してもらうというプログラムを実施し、好評だったそうです。
作成者は、まずどんな問題を出すかを考えねばなりません。それが、自分自身を考える上での主要テーマになります。そして次に、正解を含む選択肢を5つ用意します。自分のことなので、正解は簡単ですが、他の4回答を用意するのが、結構難しいそうです。それなりに、ありそうな答を用意する必要があります。つまり、自分はAだけど、B~Eの可能性も十分ある。そういう、回答を用意するのは、意外に難しい。
このプロセスは、社会の中における自分自身を考えるプロセスになっているのです。自分自身を他者の中で相対化する作業です。きっと、内定者にとっては、貴重な自己認識の経験でしょう。また、もちろん他者の理解にも有効だと思います。
また、他の会社では、若手社員に「自社の経営理念検定」を、研修として作成させたそうです。明文化された経営理念を説明するだけでなく、経営理念に即した行動や判断を択一で選ばせる試験です。そのために、社長にインタビューしたり、他社の経営理念を調査したりもしたそうです。
受講者自身の、自社の経営理念理解もきっと進んだことでしょう。そして、作成した検定試験を、実際に管理職に受検してもらったそうです。その結果は聞けませんでしたが・・・。
検定にも、いろいろな使い道があって、面白いですね。
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