新聞やニュースでご存知の方も多いと思いますが、深夜若者達(10代後半から20代前半)が騒ぐのを止めさせるために、足立区の某公園に、深夜11時を過ぎるとモスキート音を発生させる装置が区によって設置されました。
このモスキート音は若者にしか聴こえないのがみそ。聴こえる人には、頭が割れそうになるくらいの代物だそうです。ここまでしなければならないほど、付近住民は困っていたのでしょう。
設置から一ヵ月半が経ち、狙い通り深夜の若者は消えたようです。
設置開始の5/21に、たまたま夜のニュースでこのことを知りました。そのとき、なんとなくイヤに気持ちになりました。
・ 集蛾灯に集まってちりちり音を立てながら殺される虫を想像しました。設置は集めるためではなく、近づかないようにするためですが、なんだか同じだと思うのです。人間を虫と同じに扱っている
・ 若者にしか聴こえない音があることに驚きました。それによって、あるセグメントの人間をコントロールできる
・ その場しのぎの対策の最たるものだと思いました。もし、他の公園に集まったらそこにも設置するのか。全く根本的解決にはなっていません。逆に、このような仕打ちを受けた若者の不満は、別の形で爆発するのでは
あるNPOの代表がインタビューにこう答えていました。(うろ覚えですが)
「問題は、公園に集まることではなく、彼らに帰る場所がないことだ。地域住民や役所が、粘り強くその問題に取り組まない限り、彼らはますますエスカレートするだろう」
全く同感です。
システム・シンキングの分野に、「応急措置の失敗」というシステム原型があります。応急措置によっていったん沈静化した問題が、やがて遅れをともなって意図しなかった結果が生まれ、さらに問題を拡大するというシステムの構造を意味します。
今回のばら撒き予算といい、あらゆるところに「応急措置の失敗」がはびこっているように思えてなりません。
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