一方通行でもあきないEラーニング?

ウェブを活用した学習で、学習効果をもっとも左右する要素は何でしょうか?

 

東大の中原先生に伺ったのですが、画面上のインストラクターがどれだけ美しいか、だそうです。それを裏付ける研究論文もあるらしいです。それじゃあ、教育工学の役割とは何なんだと、嘆いてもおられましたが・・。

 

まあ、それはそれとして、美人やイケメンインストラクターがいなければ、どうしたらいいでしょうか?インタラクティブな機能がない、一方通行型のEラーニングで学習効果を上げることは容易ではありません。

 

視聴者の集中力との勝負です。どんなにためになるコンテンツでも、一人で画面に向かって学習するのに、30分集中させることも難しいそうです。

 

なぜでしょうか?

一方通行型では、「疑問→思考→アウトプット→フィードバックによる内省→次の疑問」のサイクルを回すことができないからではないでしょうか。最近のEラーニング教材では、これに対応するデザインを導入しているものもあるようです。最新のインストラクショナル・デザインの知見を組み込んで。でも、猿の学習実験(クイズに正解するとご褒美)を見ているようで、あまり魅力的ではなさそうです。

 

 

そこで思いついたのが、最近どのTVチャンネルを回しても放送している、複数のタレントが解答を競うクイズ番組です。 クイズ番組.jpg視聴者は、回答者の答えの理由などを聞いて、自分の考えと比較しながら観ているのではないでしょうか。つまり、他者の思考を鏡としながら自分自身も思考をする。そして正解に対しても、他者の回答と自分の回答それぞれを対照して理解する。そんなプロセスに、視聴者は模擬的に自分も番組に参加しているように感じるのではないでしょうか。

(そういう研究があると面白いのですが)

 

 

実際研修でも、自分なりの解答を持った上で、他者の発言や他のグループの発表を聞くと、大いに学習効果はあると感じます。自分が考えもしなかった思考プロセスが、いくつも見えたりするからでしょう。講師が解説するありきたりの解答よりも、ユニークな他受講者の考えに刺激を受けることも多いようです。

 

「門前の小僧習わぬ経を読む」という諺がありますが、読経だけでなく禅の公案(修行者と師との間の問答)を盗み聞いていたら、小僧もはるかに賢くなることでしょう。

 

こんなクイズ番組スタイルのEラーニング、面白いと思いませんか?

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このページは、福澤が2009年6月15日 19:05に書いたブログ記事です。

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