キリンの戦略:規模か範囲か

キリンは日本ではガリバーですが、世界で見れば十傑にも入らないそうです。ちなみに、第一位は、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)です。

しかも、世界の大手はほぼビール事業しか扱っていません。

 

ビールのように規模の経済が大きく効く事業では、これは致命的です。だから、世界の巨人たちは競ってM&Aに走っています。

 

では、キリンはどうするのでしょうか。三宅副社長によれば、別のビジネスモデルを目指すということです。三宅氏によれば、ビール事業と他の飲料事業、食品事業、医薬事業は非常にシナジーが効くそうなのです。そこで、キリンはビールでの規模追求よりも、他の事業との範囲の経済性で勝負するというのです。そのために、キリンビバレッジを子会社化したり、ワインのメルシャンを買収したりして手を打っているわけです。バリューチェーン全体で、それが期待できるそうです。

 

果たして、その成果はどうでるのでしょうか。日本市場では、規模追求による低コスト戦略よりも、シナジーを活かした高付加価値戦略が奏功しそうな気もします。しかし、それが日本以外の市場でも通用するのか。もし、通用しないとすれば携帯電話端末メーカーと同じ道を歩むことでしょう。そう、ガラパゴス化です。

 

私としては、日本がガラパゴスなのではなく、世界市場でも通用する。その方法を、世界の巨人が知らないだけなんだと思いたいです。そうだとすれば、

日本企業が世界で大きな地位を占める、新たな光が見えてくるト思うのですが、果たしてどうなるでしょうか。キリンホールディングスのこれからに注目しましょう。

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このページは、福澤が2009年4月27日 10:32に書いたブログ記事です。

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