先日、ある英会話教室を展開している会社の前社長とお話しする機会がありました。
その方曰く、「英語は読む・書く・話すことで修得するのが一般的だが、そこに見る、を加えるべきだと思う。」
有名なキング牧師の演説を映像で見て、アメリカや英語が好きになった人は多いのではないでしょうか。また、先日のオバマ大統領の就任演説を見て、やはり英語に関心を深めた方も多いと思います。実際に、演説を収録したDVDや本も多数出版されています。
このように、見ることで、学ぶきっかけをつくり、また見ることで学ぶ力は、やはり相当大きいと思います。
「何を言ったかよりも、誰が言ったかが大切」という言葉もあります。それは発話者の権威や権力によるということだけでなく、発話者の持つエネルギーやパワーを、コンテクストとして受け入れることの有効性を語っているのではないでしょうか。
スティーブ・ジョブスのスタンフォード大学での講演や、ランディ・パウシュの「最後の授業」は、YouTube等で世界中に配信され、大きな影響力を与えたと思います。
見ることに代表される五感をふる活用して、対象(講演者や講師、師匠など)が発するコンテクストを受容し、自分が持つコンテクストを擦り合わせ、そして自分のコンテクストを拡大していく、それが学習なのかもしれません。
知識や情報、データに代表されるコンテンツは、客観的事実かもしれませんが、それだけでは、ヒトに影響を及ぼしません。及ぼすのは、他者や社会との相互作用(インタラクション)の中で紡ぎ、意味付けしたあらたなコンテクストです。ここでのコンテクストとは、世界の観方に近いかもしれません。
学ぶことにおける、「本物」を見ることの重要性を、あらためて考え直してみたいと思います。
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