学問と実践が交わる快感

毎週楽しみにしている新聞コラムに、花園大学佐々木閑教授の「日々是修行」(朝日新聞木曜夕刊)があります。数年前に花園大学で、1週間ほどの禅に関する集中講座を受講したことがあり、先生には勝手に親近感をいだいています。

 

昨日のコラムは、「学問と実践が交わる快感」と題するものでした。先生がタイの山奥の僧院に行き、そこで修行中の日本人僧侶二人と対話した時の話です。

 

 

タイの僧侶.jpg 

古代仏教の研究者である佐々木先生が、古代文献にあった儀式のことを僧侶に問うと、僧侶が「それは実際にはこうです」と言って実物を見せてくれる。欠落していたピースが次々に埋まっていくような快感があったそうです。

 

「頭の中だけで組み上げてきた私の学問に、初めて生気が吹き込まれたような思いだ。」

 

僧侶もこれまで自分たちが、理由もわからず実践してきたことの、そもそもの意味や理由を先生から聞き、これまでの疑問が氷解していくようだったそうです。

 

このような時間を体験できる学者も実践者も、幸福でしょう。

 

「釈迦の本当の姿は、学問と実践が交わるところに立ち現れてくる。」

 

ビジネスの世界でも同じでしょう。企業研修の醍醐味は、こんなところにあるのです。

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このページは、福澤が2009年3月 6日 14:26に書いたブログ記事です。

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