「感性がビジネスを支配する」:コンテンツとコンテキスト

先週、企画協力させていただいた本「感性はビジネスを支配する」が出版されました。




感性がビジネスを支配する感性がビジネスを支配する
木暮 桂子

by G-Tools

 

 

 

本書は、ビジネス・コミュニケーションにおける「非言語コミュニケーション」に焦点を当てた実践書です。

 

コミュニケーションは、企業研修においても、常にニーズのトップを飾るテーマです。コミュニケーションを課題に挙げない企業はないほどです。

 

コミュニケーションには、コンテンツの側面とコンテクストの側面の二つがあるでしょう。コンテンツとは、伝えたい中身そのものと、それを言葉(言語・文字)に転換したものを指します。一般に人間は、頭に浮かんだアイデアを言葉に転換して伝えます。相手も、受け取った言葉を、いったん頭の中でアイデアに転換して理解するわけです。メールで重いファイルを送信するときの圧縮、解凍のプロセスに似ていますね。

 

中身の言語化に大きな役割を果たすのが論理思考力です。圧縮、解凍の方法は、論理がベースになるからです。この分野の重要性の理解は、ここ10年間で大いに進んだのではないでしょうか。(私も、それに加担した一人です。)

 

しかし、今それだけでは「伝わらない」との声が大きくなってきています。正確に言うと、伝わらないのではなく、もし伝わっても行動に結び付かないということではないでしょうか。

 

単に圧縮ファイルを送っても、解凍してくれるかどうか分かりませんが、圧縮ファイルに、綺麗なリボンがついてればほどきたくなるかもしれません。また、テキスト情報で送るより、写真データを一枚送ったほうがはるかに行動に結びつくかもしれません。つまり、中身だけでなく、どう伝えるかや言葉以外で伝える方法が重要だと気付き始めたのだと思います。それが、コンテンツでないコンテキストです。「人は見た目が9割」という本が、少し前にベストセラーになりましたが、それも同じ主旨です。

 

コンテンツ作成と伝達の上で、論理思考は確かに重要ですが、どうもそれで十分だという風潮が、特に若手ビジネスパーソンの間で蔓延しているようにも感じます。こんな時代だからこそ、あらためてコンテキストの重要性を再認識すべきではないでしょうか。

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このページは、福澤が2009年2月12日 19:38に書いたブログ記事です。

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