今年は、手塚治虫没後20年ということで、様々な催しが企画されているそうです。NHKも手塚治虫のいくつかの番組を放送しています。たまたま、昨日観た番組で、山下達郎さんが「アトムの子」という自作曲について述べていました。
山下さんは、子供からの手塚ファンで、20年前に手塚が亡くなったことを聞き、あらためて「鉄腕アトム」を読みなおしてみたそうです。そうしたら、いかに自分が手塚漫画によって育てられかたを痛感し、そして「アトムの子」を書いたそうです。
いうまでもなく、「アトムの子」とは、アトムの血を分けた子という意味ではなく、鉄腕アトムという漫画によってさまざまなことを学び、影響を受けて成長して来た人という意味です。同じ番組で、坂本龍一さんも手塚漫画から、例えば、戦争は絶対良くないことだということを学んだと言っていました。ただ、頭ごなしに戦争は悪だと先生に言われたとしても、たぶん自分は理解しなかっただろうとも言っていました。
たまたま一昨日の夜、やはりNHKでロックの歴史をゲストと観客が語るという番組をやっていました。観客は、ロックに大きな影響を受けてきたほとんど40代以上のおじさん(と少しのおばん)30人くらいです。見た目は、必ずしもロックぽくなくても、語る言葉は熱いです。つまり、「ロックの子」なのでしょう。
「○○の子」という言われ方ができる人を、少し羨ましく感じました。彼らは、○○によって生き方や考え方の軸ができているのです。しかも、その軸は自分が大好きで選んだものです。考えてみれば私のまわりにもいました。ガンダムの子、竜馬がゆくの子、宝塚の子、などなど。
人が成長する上で、なんらかの指針や軸、あるいは視点は必要です。価値観と置き換えてもいいかもしれません。2日のブログで書いた師匠の殿堂の佐藤さんは、先生からの一つの問いが生きていく上での視点を与えたのです。佐藤さんのような「心に刺さった一言」も、いつも日光のように浴びている○○も、形は違いますがどちらも、人の成長に影響を与えるという意味では、同じ教育なのかもしれません。
では、教育をする立場になった○○の子は、今度はどうやって自分の子供や部下たちを成長させることができるのでしょうか。
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