何とほめられたいですか?

きのう、アダットパートナー講師でもある藤井清孝さんの「グローバル・マインド」出版記念講演が、八重洲ブックセンターで開催されました。私もその出版に少しだけ関わっていたこともあり、聴講してきました。100席のところ、120人の予約を受け付け、さらに当日参加で立ち見の方もおられるほど盛況でした。

4478007659グローバル・マインド 超一流の思考原理―日本人はなぜ正解のない問題に弱いのか
藤井 清孝
ダイヤモンド社 2009-01-17

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講演の内容も良かったのですが、質問への回答が、さすがと唸るほど素晴らしいものでした。今回は、その質問のひとつへの回答について考えてみたいと思います。

 

それは、

「藤井さんは、どんな言葉でほめられたたら最も嬉しいですか?」という質問です。

質問者自身も言っていましたが、これはその人の生き方や価値観を如実に表すことになる質問です。

 

藤井さんも、しばらく考えた末、まずこう答えました。

「マッキンゼー時代は、『うちに来てよ』とクライアントから言われるのが一番嬉しかった。『いいコンサルタントだね』と言われると、それは暗に『コンサルタントとしては、優秀だが、実業は無理だろ』と言われているように感じた」

これは、かつてコンサルタントをしていた人間として、非常によく分かります。コンサルタントとしての評価に満足している人は、コンサルタント以上にはなれません。現状維持はがまんできないのです。

 

さらに、続けました。

「今なら、『藤井さんらしいですね』と言われるのが最も嬉しいですね。良くも悪くも私自身のことを理解してくれた。伝わったということですから」

 

いっぱんに、「あなたらしいですね」という言葉は、必ずしも褒め言葉ではありません。暗に「だから、あなたはだめなんです」と言っている可能性もあるわけですから。でも、それも含んで、ありのままの自分を理解してくれることが嬉しいというのは、なかなか言えるものではないでしょう。そこには、もちろん自信もあるでしょうが、それを超えて人と素直につながることに最大の価値を置いているからではないでしょうか。

 

褒めることは、人の動機付けの中でも最も重要なものの一つです。では、どうすれば相手は褒めらたと感じるのか。単純ですが、難しい問いです。相手の価値観を理解する感性がなければ、褒めることもできないということを、あらためて感じさせられました。

 

ところで、私は何と言われてほめられたいか?うーん、むずかしいです。

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このページは、福澤が2009年2月 6日 15:24に書いたブログ記事です。

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