「すぐ伝わる」と「深く伝わる」。
東京芸術大学の布施英利准教授
が、エンタテイメントと芸術の違いを、こう表現していました。エンタテイメントは娯楽と言い換えたほうがいいと思いますが、良い表現だと思いました。芸術作品といわれるものは、触れた時にはそれほど感じなくても、あとでじわじわと何らかの感情が芽生えてきます。展覧会で絵を観にいったとき、一巡した後で何だかひっかかって、また観たくなる絵ってありますよね。
先日、映画「マンマ・ミーア!」を観ましたが、まさに一級の娯楽作品でした。当然、観てすぐ楽しめます。深くはありませんが、それでいいのです。誰も深さを期
日常生活や仕事の中でも両者は、使い分けられているはずです。とはいえ、時代のスピード感がどんどん速くになるにつれて、「すぐ伝わる」が優勢になっているのではないでしょうか。
「すぐ伝わる」と「深く伝わる」は、一見両立しそうで、するのは難しいように感じます。ルーティンの世界では「すぐ伝わる」を重視すべきですが、複雑で困難な局面や教育の場面では「深く伝わる」ことが大切です。そのアクセントを、時間に追われ中で、なかなかつけづらくなっているのではないでしょうか。
教育の世界でいう「気づき」とは、外部からの情報が刺さるように伝わり、その結果これまでの前提を覆すほど深く自己認識することでしょう。それは、芸術に触れることと同じなのかもしれません。自分自身を成長させるためは、芸術に数多く触れ、気づきを促す感性を磨いておくことも必要なのかもしれません。
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