昨晩、アカデミーヒルズで「アダットシリーズ ハーバードケースメソッドで学ぶ経営戦略」を開講しました。この師走の忙しい時期にもかかわらず、27名の参加がありました。ありがたいことです。
テキサス大学のビジネススクールで教えている清水勝彦准教授に講師を担当していただきました。普段は英語でやっているので、多少日本語の単語が出てきづらいこともありましたが、流石に素晴らしいスピード感と的確なリードで、受講者の積極的な発言を引き出し、2時間半はあっという間に過ぎてしまいました。ほとんどの方は、今回が初めてのケース・メソッドで、しかも一回きりなので当初は不安だったのですが杞憂でした。
終了後ある受講者が、「面白かったが、なんかもやもや感がありすっきりしない」と感想を述べておられました。当然の感想だと思います。私もビジネススクールで初めてケースに触れた頃、同じような感想を持ちました。経営だから正解がないのはわかるけど、じゃあ何を学べばいいの?という感想だったと思います。
それまでの学校教育では、すべて正解があったのです。それがいきなり、最後まで正解がなく、頭の中が広がったまま終わってしまって、気持ち悪いのです。
でも、その気持ち悪さが大切なのです。もし、正解を教えてもらって、すっきりして帰れば、それで終わり。何も頭に残りません。すぐ忘れるでしょう。他に覚えるべきことはたくさんあるのですから。
もやもやしているから、ずっと考え続けるのです。考え続けること自体が学習であり、筋肉トレーニングと同じなのです。それに納得するのに、私も結構な時間がかかりました。
それから、ある受講者が、こんな感想をおしゃっていました。
「ケーススタディに対して、一般的に言われる『過去の事例を扱っても・・』とか『机上の空論では・・』という意見が当てはまらないということが、身をもって体験できたので大変有意義でした。」
一人でもこう言っていただけると、やった甲斐があったというものです。
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