ImpositionとResonance

人の意識や行動を(こちらが)好ましい方向に動かそうとするとき、二つのやり方があると思います。

 

ひとつはImposition。つまり賦課です。

「こっちは、あなたにとってこんなに役に立つし、あなたに合っていますよー。こちらに行くのが正しいですよー」と、お節介なこともありますが、進路を指し示し、その行動を暗黙に課すアプローチです。

 

もうひとつは、Resonance。つまり、共鳴、共振です。

「私はこう考え、こう行動します。あなたが、どうしようとも関係ありません。それは、あなた自身の問題であり、あなた自身が決めることです。でも、あなたが私の考えに共鳴してくれるのであれば、嬉しいです。」

Resonance.jpg 

人々が成熟してくると、一般に共鳴型が有効になってくるでしょう。主導権を、他者に握られることを潔しとせず、自分が主導権を握ることを重視するからです。また、共鳴、共振するには、その対象となる自分自身の核がなければ鳴りません。

 

 

ところが、今書店に行けば、Impositionを誘導してくれる本が溢れています。「XXX式勉強法」「給与がZZ倍になるテクニック」などなど、私など余計なお世話だと思ってしまいます。どう考えても、成熟化に向かっているとは思えません。

 

Resonanceを暗黙に期待する人は、たぶん他者と同じことを嫌い、自分だけのヒントを探しアンテナを張っているのではないでしょうか。マスを嫌う。

 

そうなると、普通に考えればビジネスになる(お金になる)のは、どう考えてもImposition派です。従って、供給はそちらにシフトするのです。安易に儲けたい供給者と、安易に答えを求める需要者の利害が一致して。

 

これは書籍の市場に限って起きていることなのでしょうか?ブランド物が売れなくなっているという話も聞きますし、一方で雑誌やショーと連動したファッションのネット販売が急成長しているという話も聞きます。どっちの方向に向かっているのか、よくわかりません。

 

もしかしたら、二極分化が急速に進み、表に見えているのはImposition派ばかりでも、実は見えていないところにResonance派がじっと待っているのかもしれません。Resonance派に響く供給者を。

 

あなたは、どちらですか?

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このページは、福澤が2009年9月29日 11:20に書いたブログ記事です。

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