人材開発、特に研修に関わると、話し言葉に敏感になります。本を執筆するということは、いわばミュージシャンがスタジオ録音することですが、現場での研修講師を担当することは、ライブに相当します。ライブでは、観客との関係性や状況によって、さまざまな話し言葉を駆使して成果を生み出します。それを話法と呼びましょう。
話法を、発話者の数と話の方向が収束に向かうか、発散に向かうかで4象限に分類してみます。 話法3.ppt
「場」に何らかの責任を負う者(必ずしも研修講師だけではなく、社内会議の場面でも同様)は、受講者と、あるいは受講者同士で、これらの話法を使い分ける必要があります。どれを使うかは、何を獲得したいかによります。
例えば、「問いかけ」は相手の思考のスイッチを入れるための話法ですし、「講演/プレゼン」は、相手の理解を得るためのものです。また、「議論」は、相手を納得させ決定するための話法です。
最も難しいのが、「対話」です。受講者間の対話により、共感や創造を生み出すことを狙います。複数者で発散するわけですから、難しいわけです。
それでも、研修会場や会議室といった物理的な場を共有していれば、ある程度の場のコントロールは可能ですが、最近では、ネットを使ってバーチャル空間で、それを実現させたいとのニーズも高まっています。
講師が話法(モード)を使い分けることと、ネット環境でそれを瞬時に対応可能にするIT技術の両方が揃って、初めて可能になります。チャレンジングなテーマですが、もしうまくできたらインパクトは計り知れないほど大きいでしょう。
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