2012年2月アーカイブ

IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)
冨山和彦 経営共創基盤
4569800785
【著者】 冨山和彦(パートナー/代表取締役CEO)
      斉藤   剛(パートナー/マネージングディレクター)
      古川尚史(ディレクター)


会社再生のプロが実践している37の手法が身につく本
 ・リアル経営分析は企業の健康診断(精密検査)
 ・そもそもどんな事業を分析しようとしているのか?
 ・仮説と検証を繰り返して真実に迫る
 ・分析力は改革力
 ・会計の有用性と限界を知ること
 ・経営分析を始めるとき、まず持つべき目的意識とは?
 ・業界構図の変質の陰には、必ず経済構造の変化がある
 ・事業経済性を理解すると見えてくる世界
 ・会社の事業モデルを自分なりに試算してみる
 ・その会社の事業に最適なスパンで数字を切り取る
 ・「敵を知り、己を知り」、「百戦しても負けない」戦い方を編み出せ! ほか


~ あなたは本当の経営分析ができますか? ~

第1問 次の4つのビジネスを、勝ちパターンの違いから2つのグループに
     分けるとするとどんな組み合せになるか?それはどんな違いから
     分けられるのか?
      1)生コンメーカー  2)化学メーカー  3)電炉鉄鋼メーカー  4)高炉鉄鋼メーカー

第2問  次の4つのビジネスの中で、事業の経済的な性格づけの視点から
     見て、最も仲間外れの事業はどれか?逆に最もよく似ているのは
     どれとどれか?
      1)大手エアライン  2)旅行代理店  3)路線バス  4)鉄道


 世に経営分析や財務分析の本は山とある。そのほとんどに正しいことが
書いてあり、そこで示されている分析の手法や指標は、会社や事業を理解
するうえで有効なものである。その一方で、世の中に出回っているアナリ
ストのレポートや、業界専門誌の経営分析、あるいはM&Aなどに関連して調
査会社やコンサルティング会社が請け負ってつくる、財務デューディリジェ
ンス(DD)や事業DDの報告書には、あとで読んでみるとかなり「イタイ」
内容のものが少なくない。

 私自身を含む本書の筆者3人は、いずれも、産業再生機構あるいは現在の
経営共創基盤(IGPI)において、会社が生きるか死ぬかの修羅場や経営改革
の現実の成果を出さねばならない状況で、真剣勝負の経営分析をやってきた
プロフェッショナルである。そうしたリアルな局面で、どんな分析能力が求
められるのか、どんな手法が役に立ち、その手法をどのように使いこなせば、
有効な分析ができ、会社や事業に関する正しい認識を持てるのか。経営者、
投資家、経営コンサルタントとしての私たちのシビアな経験に基づいた、
リアルな経営分析の方法論を皆さんと共有することが、本書の目的である。
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