新年のご挨拶

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

年末年始のお休みは、じっくりとものを考えるには最適の時期です。今年はこんなことを考えました。

昨年、日本も世界も混迷の中にありました。その理由の一つに、社会学でいうインスツルメンタル(instrumental)への偏重があるのではないかと考えます。

インスツルメンタルとは、合理性に基づく目的思考の行動を指します。世界は原因と結果とでできており、目的を達成するための正しい行動をすべき。未来のゴールのため、今我慢するのもやむを得ない。適切なゴールと手段が定まるのであれば、それで良かったでしょう。果たして今はどうでしょうか?

社会学者パーソンズは、その対義語としてコンサマトリー(consummatory)という造語を作りました。コンサマトリーとは、自己充足的と訳されることが多いようですが、「今、ここ」の楽しさや心地よさを大切にする考え方です。享楽的とは違います。未来のために生きるよりも今のために生きる、そうすることがよき未来に通ずる。

合理性に従うことも大切ですが、今の時代予測困難で合理性では判断できないことが多すぎます。また、現代において能力を最大限発揮できるのは、「未来のどこか」のためよりも「今、ここ」のためだという気がします。

コンサマトリーにもう少し注意をむけるべきではないでしょうか。だから、自分自身に問う。「何が楽しいか?」「どっちが美しいか?」

TDK澤部元会長が若い頃、当時の社長にこう言われたそうです。

「君はあほやから、何が正しいかをわかるのは難しかろう。ただ、君でも花や景色の美しさに感動する心はあるはずや。美しいものを求めなさい」(日経新聞朝刊2019/12/31)

澤部氏は社長時代、迷うとこの言葉を思い出して「この判断は美しいか」と自問自答したそうです。

判断基準を自分自身に求めることは厳しいことです。日々、自分の内面に向き合い、美意識を磨く。その実践をささいなことでも積み重ねることが、コンサマトリーな姿勢ではないでしょうか。因果に絡め取られずに、「今を生きる」ことは禅の教えでもあります。

人材・組織の開発支援に携わるものとして、コンサマトリーを意識していきたいと思います。それが一番楽しいはずですから。

本年も引き続きご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

2020年1月6日

株式会社アダット

代表取締役社長 福澤 英弘
fukuzawa@adat-inc.com

https://www.adat-inc.com

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