ヒューマンキャピタルという言い方は、やっと一般的になりつつあるようです。ヒトは、減損する資源(リソース)ではなく、蓄積・拡大する資本(キャピタル)であるとの考えに基づくのでしょう。企業サイドから見れば、その通りだと思います。また、個人としても自分自身のキャピタルを意識すべきでしょう。
ところで、最近個人であろうが組織であろうがナレッジ・キャピタルとレピュテーション・キャピタル、ポリティカル・キャピタルの3資本が欠かせないと考えています。(長いので、それぞれKC、RC,PCと略します。)
まず、KCですが、経験や学習によって獲得したナレッジは、基本的には蓄積されます。その意味では、典型的キャピタルです。過剰適応の問題はありますが、KCの蓄積はどういう環境であろうが持続すべきですし、質の良いKCを蓄積することを心がけるべきです。
次にRCです。レピュテーションとは、名声、評判そしてそれらにより構築される信用やブランドを表します。これも、ネガティブなRでなければ蓄積されます。ただし、時間の経過によって、薄れる特徴があります。それが資金との大きな相違点です。したがって、継続的な獲得活動が必要になります。名前を忘れられないように。
最後のPC。ここでのポリティックとは、他者(他社)へ影響力を行使できる力を表します。これは、KCやRCの結果ということもできるでしょうし、それ以外にもたくさんその源泉はあります。権力、おカネ、人脈、知名度、人柄、人気、期待などたくさん考えられますね。PCの源泉には、固定的性格のものもあれば、移ろいやすいものもあります。新政権は、100日以内は国民とハネムーン期間だと言われますが、そのPCは100日間しか有効ではないということです。(その間に大きな成果を上げれば、PCは増大します)
さて、これらのキャピタルはお金で測ることができず、従ってBSやPLに表記されません。さらに、それぞれの獲得を目的とした投資とリターンの関係も明確にはわかりませんし、リターンが見えるまでに長い時間もかかるでしょう。
しかし、その重要性は日に日に高まっています。したがって、3キャピタル獲得を信じて、日々継続して地道に活動するしかないのです。信念と忍耐強さが欠かせません。
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