社会: 2013年2月アーカイブ

恥ずかしながら先日、初めてダイソーの100円ショップで買い物をしました。

類似の100円ショップには入ったことはあるのですが、やはり本家の品揃えと品質は圧倒的。確かに消費者に驚きを与え、購買を誘発するだろうと納得。これなら日本は、デフレになるわけです。ただ、人間はすぐに慣れてしまうので、驚かせ続けること、これは至難の業。

 

昨日、日本マクドナルドの2012年度決算発表があり、驚きの14%減益。1月の既存店売上に至っては17%減収。100円メニューで顧客を集め、セットメニューで稼ぐデフレ対応モデルも失速。デフレに慣れた消費者は、100円メニューしか買わなくなってしまったようです。消費者はバカではない、そうそう思うつぼにはまるわけない。慣れと学習効果を見誤ったのでしょう。デフレの勝ち組と言われたマクドナルドも、戦略転換を図らざるを得ないでしょう。

 

デフレが消費者に値下げ競争を期待させ、供給側が歯を食いしばって期待に応え続けるが消費者はさらなる値下げを期待、このデフレスパイラルが20年もの日本経済をむしばんでいます。セブン&アイホールディングスの鈴木会長が言い続けているのは、知恵を使って値下げ以外で消費者の心をつかむことですが、それに成功したのはアップルやサムソンといった海外メーカー。

 

金融緩和をこれだけ長期間続けてきても、このデフレスパイラルを脱却できないのは、もはや金融は力を持たないことを証明しています。にも関わらず、日銀に緩和を強いるアベノミクス。白川総裁が言うように、規制緩和などの成長戦略の効果のほうが遥かに大きいにも関わらず、その責任を日銀に転嫁しているように見えます。現在の円安株高も、円の本来の実力(膨大な財政赤字と貿易赤字の予兆)を認識した海外勢が円を売った結果であり、それに連れて日本株のポジション(ドル建て)をまだ維持するための短期的株式購入、でなければいいんですが。

 

そもそもデフレの背景にあるのは日本の高齢化です。普通に考えれば、ただでさえ年を取ればおカネの使い道が減るのに、年金財政を信用できなければますます消費を絞るのが人間の性。そういう高齢者の率が急速に高まっています。

 

一方、消費の必要性が高いはずの20代から40代は、継続的な給与減少や非正規労働者比率の高まりで、思うように消費ができない。そこへ来て、65歳まで雇用延長の義務化ときた。当然、働き盛りの年代への給与配分は減り、ますますお金が高齢者に流れ込む構図です。(その意味では相続税アップは正しい)

 

さらに、労働分配率、つまり企業の儲けのうち、給与として社員に支払う額の比率の低下傾向も続いています。企業が使い道もないまま、お金を会社に抱え込んでいる。個人消費が伸びないのは当然です。そんな中、ローソンが20代から40代社員に一律3%給与を増やすと決定したのは、理にかなっています。小売業ならではのセンスですね。

 

銀行も預かった預金の使い道がないから、仕方ないので国債を買いまくっています。企業への貸付額よりも国債運用額のほうが多くなっているのではないでしょうか。これなら銀行は不要で、個人が預金を下ろして国債を買ったほうがよっぽど効率的です。こんな大赤字の国の国債を誰が買っているんだろうと不思議に思ったことありませんか。そうです、我々預金者です。

 

ただでさえこんなに危ない橋を渡っているのに、さらに大いなる社会実験ともいえるアベノミクなんかしていていいんでしょうか。

 

こういったがんじがらめの状況が、なぜ20年も維持されるのか。古くからの利益集団の存在と、そんな存在を何となく許してしまっている国民の意識ではないでしょうか。では、なぜそれを許しているのか。こり固まった意識のパラダイムを破壊することは、それだけ難しいのです。自分で破壊できないのであれば、誰かに破壊してもらうしかない。なーんだ、それじゃあ黒船やマッカーサーと同じじゃないか・・・。

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