週末NHKで、二日連続の 「恐竜絶滅 哺乳類の戦い」という番組がありました。とても面白かったです。こういう番組ばかりなら、喜んで受信料払います。
以下、番組HPからの引用です。
恐竜絶滅後の世界で、ほ乳類の前に立ちはだかったのは巨鳥だけではない。全長4メートルにもなる巨大ワニも水辺の王者として君臨していたのだ。鳥とワニが強かった理由は恐竜時代に遡る。両者は恐竜全盛時代から空や水辺という恐竜のいない環境に独自の勢力圏を築き上げた"スペシャリスト"だった。一方、ほ乳類は小型のまま、日陰者的な生き方を余儀なくされていた。この差が恐竜絶滅の直後には、ほ乳類に不利に働いたのだ。ところが、さらに時間が経つと、三者の運命は反転する。小型のままであったほ乳類は"ジェネラリスト"つまり「そこから何にでも進化できる」能力を保っていた。新たな環境変動に対応して、多様な種を生み出し、次第に爬虫類や鳥類を圧倒していったのだ。
巨鳥やワニがそれぞれの領域に適合するように特殊化したのに対して、哺乳類の祖先(ねずみみたいなの)は、特殊化もできず、こっそり生き延びていたのです。
その形態は、中途半端で特に特徴がありません。特徴がないのが特徴で、アドバンテージだったのです。つまり、環境変化に合わせて、いかようにも進化する可能性を秘めていたのです。実際、そうなっていきました。
経営戦略論でも、「過剰適合」だとか「成功の復讐」と「イノベーションのジレンマ」とか同様の概念があります。問題は時間軸だと思います。進化のような超長期であれば、特殊化はリスクです。しかし、短期では、ある程度特殊化しないと生き残っていけません。特殊化せずとも生き残っていける会社があれば、一番いいですね。
創業経営者が強いのは、目先の利益を度外視してでも長期的な手が打てることだと思います。それが、次の成長の種なのです。しかしサラリーマン社長はそうもいきません。創業経営者の中には、会社が特殊化しているという意識はないのだと思います。だから、どんな手も長期的視点で打てる。ユニチャームがいきなり紙おむつ市場に参入したように。
しかし、社員は会社が特殊化しているから自社は生き残っているんだという意識のような気がします。短期的には確かにそうなのですから。だから踏み出せない。
あるオーナー系企業の方いわく、創業者が引退した今、次の儲けの種を誰も生み出せない。たとえ誰かが提案しても、却下されてしまう。結構、深刻な問題です。