ヒトの能力: 2009年8月アーカイブ

仕事ってなんでしょうか?

 

一般にサラリーマンは、以下の四段階を経ていくように思います。第四段階は、風前の灯ではありますが。

 

1.       お金をもらいながら、育ててもらう(収入>成果)

2.       自分の給料くらいは稼ぐ(収入=成果)

3.       給料以上を会社に稼がせる(収入<成果)

4.       部下(or現役)が稼いでくれる(収入>成果)

 

 

しかし、サラリーマンであろうと、個人事業主であろうと立場に関係なく、以下のような幸せな人もいます。

 

お金をもらいながら、遊ばせてもらう(遊ぶ喜び+収入)

 

 

作家の道尾秀介さんが、

「これはいわば他人のお金で遊ばせてもらっているようなもの」と、自分のことを書いていました。

 

彼が若い頃、バイクで旅をしているとき、故障を助けてもらったバイク屋の人が、バイク屋って楽しいですか?との彼の質問に、こうこたえたそうです。

 

「楽しいよ。他人のお金で遊ばしてもらっているようなものだもん。給料安いけど。お金がなくっても、毎日遊んで暮していけるなんて最高でしょ?」

 

その時、道尾さんは、

        いつか自分も絶対に他人のお金で遊ばせてもらえるようになること

        何事も難しく考えないこと

を心に決めたそうです。

 

素敵な話でしょ。

 イチロー.jpg

 

さらに一歩進んで、イチロー選手は、他人のお金で好きなことをし、しかもそれで社会に影響を与えることの喜びを語っています。

 

「自分の好きなことをやって報酬を得て、それによって世の中の人に影響を与えることができる仕事は限られている。それを生活の手段だけにとどめておくのは、すごくもったいない。」

 

 

スティーブ・ジョブスは、有名なスタンフォード大学での講演で、こう言SJ.jpgいました。

 

「時間は限られています。他人の人生を歩むのは止めましょう。他人の作った固定観念のわなに囚われないようにしましょう。他人の意見に左右されず、自分の心の叫びに耳を澄ませましょう。そして、自分の「心」と「直感」を道しるべとしましょう。どういうわけか、「心」と「直感」は、自分が何になりたいかを既に知っているのです。」(訳:藤井清孝)

 

仕事、成果、おカネ、遊び、社会、直感、他人の作った固定観念の罠・・・。簡単そうで、すごく難しい気もしますが、・・・やはり、道尾さんのいうように、何事も難しく考えないということが一番なのかもしれませんね。

 

 

「齢を重ねるということは、賢くなるということだ。」と、教えられてきたように思います。では、賢くなるということは、どういうことでしょうか。

 

一般に「大人になる」とは、「世間に合わせて生きろ」とか、「長いものには巻かれろ」と同義語といってもいいでしょう。社会が安定し、経験が十分に生きる世の中であれば、それが、賢い生き方だったのです。

 

つまり、齢を重ねること(大人になること)は、賢くなることであり、賢くなることは、世間に合わせていくこと、となります。一種の処世術です。

 

最初の命題は、今でも生きている気がします。そうでなければ、困ります。しかし、二つ目の命題は時代に影響を受けるはずです。

 

今、本質的な賢さの意味を考えてみることも、無駄ではないでしょう。

 

 

年齢とともに増す賢さとは、何でしょうか?もちろん経験を重ね、知識も増えるでしょう。知識も一要素に違いない。知識を使いこなす知恵も賢さの重要な要素です。でも、なんかまだ足りない気がします。

 

 

齢を重ねることにより、自分自身がわかってくる気がします。身の程がわかってくるというか、自分の中でどうしても変わらないものが見えてくるような感じです。

 

「自分の中で変わらないもの」を自覚し、それに合わせたスタイルで生きていくこと、それが賢くなるということではないでしょうか。

 

しかし、世間は、どうやら正反対の方向に向かっている気がします。

 

「人間は、いくつになっても変われる。いや、変わらなければならない。それができない人は、負け組だ。」

 

そんな風潮で、子供も若手もベテランも、みんな無理しているのではないでしょうか。

 

好きなこと、得意なこと、そしてその源にある才能、それを見つけて伸ばすことが、本当の人材開発なんだと思います。

 

 

台本が、俳優によって声に変わると、まったく別の世界を創りだすのですね。当たり前のことですが、目の当たりにするとそれを実感します。

 

「WPLを活用したワークショップファシリテーター養成講座」を、ダイヤモンド社主催の下で、現在開発中です。監修は、東大大学総合研究センター中原淳准教授です。

 

それに使用するDVD映像のリハーサルを昨日行いました。「雑談」「議論」「対話」の違いを理解してもらうために、プロの俳優さんたちに演技をしていただいたのです。

 

台本に基づいて、演技をしてもらうのですが、「よーい、スタート」との声でリハーサルが開始すると、一瞬にしてそこに別の世界が出来上がります。文字が立体的なシーンへと変わるのです。

 

もちろん、TVや映画、演劇など演技を観る機会は多いのですが、日常から芝居に切り替わるのを目にするのは初めてでした。本当に場の空気が一瞬に変わるのです。素人の演技との違いは一体何なんでしょうか?

 

ディレクターの指示で、何度も修正しリハーサルが繰り返されました。台詞はほとんど変えなくても、ちょっとした指示で世界がまた変わります。これも、驚きでした。

 

台本は、所詮台本にしか過ぎない。落語も音楽も同じですね。それもあらためて実感しました。

 

どんな分野でも、創造するプロは凄いです!

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