2019年5月アーカイブ

母校である上智大学のコミュニティ・カレッジ(社会人向けの夜間講座)に、また通うことにしました。今回は、「脳のはたらきから見た心の世界~生理心理学入門~」という講座です。昨日(5/7)から、毎週月曜の1910204010週間連続シリーズ。

 

手軽に安価で専門家から直接学べるのは、本当に有り難いことです。東京には、他にも膨大な学習機会があり、宝の山に住んでいるようなものですね。

 

さて、今回なぜこの講座を受講することにしたのか。仕事上「集団における学び」には関心が高いわけですが、ヒトの学びも突き詰めていけば、脳のはたらきにいきつくと、最近考えていることが大きいですね。

 

ヒトは論理だけでは動かず、感情や直観の影響が極めて大きい。その感情や直観がなぜ生まれてくるのか、それを理解しなければ、個人の振舞も集団の振舞も理解できないと感じています。

 

組織などの集団>個人(ヒト)>脳>神経細胞 は何らかの相似形であり、共通のメカニズムのようなものがあると思っているので、脳とヒトの心理の関係を学んでみたいと思ったのです。

 

経営と心理学の関係は、特に最近注目されているように思います。ただ、心理学といってもとても範囲が広く、学問としても細分化されています。まずその整理が必要。

 

昨日の第一回の講座で学んだので、早速使います。

●心理学は以下の諸領域に整理できます。

 --社会心理学

 --臨床心理学(精神病理学)

 --行動心理学(動物行動学)

 --認知心理学(認知科学)

 --発達心理学

 --生理心理学(脳・神経生理学)

 

いずれも、「心の活動」を探るための学問です。様々な角度から斬りこんでいる。私も、心のはたらきに関わりそうな本を乱読してきましたが、このように整理すると、どれかに当てはまりしっくりきます。

 

「心」はモノではないため、自然科学として扱うことが難しい。(だからもともとの発祥は哲学でした。)それを何とか科学的にアプローチしようとの努力がなされました。具体的には、心的活動そのものは計測できないものの、外部からの刺激に対して「心」が反応し、その結果発生した外的事象を観察・測定しようとしたのです。外的事象とは、言語、思考、行為、しぐさ、表情、生理的反応などです。

 

さて、生理心理学とは、主に脳や神経と心の関係を解明しようというものです。

 

ここで根本的な問いが存在します。

「心と脳は一体なのか?」

もう少しいうと、「心は脳に宿るのか?」

ちなみに、アリストテレスは、心は心臓に宿ると考えたそうです。

 

「脳がなければ心はないのか?」

脳死とは、心も死んだのだと考えていいのか?脳死を人間の死と認定し、臓器移植してもいいのか?

ヒトは死んでも魂に心が残る、という考えもなくはありません。

 

こう考えていくと、宗教や哲学に戻っていきそうで、前に進むことができなくなりそうです。

 

昨日の講座で、先生はこうおっしゃいました。

 

「生理心理学では、脳と心の一元論を作業仮説とする。つまり、

 ・脳と心は同一のものである

 ・脳がなければ心はない という前提を置く

ただし、これは研究を進める上での作業仮説であり、必ずしもこの前提を信じる必要はない。」

 

なるほど!

意識や心はまだまだ謎だらけです。しかし、いったん「脳=心」という前提を置くことで、真実に迫ろうという姿勢なのです。面白いですね。次回以降が楽しみです。

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