管理職≒ミドル向けマネジメント研修の方向性

最近、管理職研修を見直したいとの話をよく聞きます。そもそも、管理職に研修を実施する意味はどこにあるのでしょうか?管理職への教育は、もともと工場の労働者管理から始まった経緯から、かつては部下指導や評価の方法、業績管理に関する知識など、コントロールのノウハウ伝授の色合いが濃かったように思います。

 

しかし、管理職の大部分はホワイトカラーになり、環境が一変しています。企業経営全般の視点に立てば、もはや管理職研修というくくりよりも、会社の屋台骨を支えるミドルの能力開発という切り口のほうが、近年では一般的になっていると思います。管理職研修が、ミドルに対するマネジメント研修に拡大されたのです。その中で、最低限管理職として必要な知識を伝授することもあるでしょう。あるいは、その部分だけを切り出して、管理職昇格時に実施することもあるでしょう。

 

では、今の企業のミドルにはどのような役割が求められているのでしょうか。それが明確にならなければ教育の企画も立てられません。管理職やミドルには、リーダーシップが必要だ、なのでリーダーシップ研修をやろう!という非常に短絡的な考えも見られなくはありません。

 

仮にそうだとして、どんなリーダーシップスタイルが自社には必要なのか?を突き詰めないと、なんとなく面白かった研修で終わってしまいます。そもそも、ミドルに最も必要なのは、リーダーシップなのでしょうか?今や、リーダーシップは思考停止ワードの代表格です。

 

話をミドルの役割に戻しましょう。私は今のミドルを役割を考える上で、現在に着目するか未来に着目するかと、ゼネラリストかスペシャリストかのニ軸が有用だと考えています。そのマトリクスで4つの役割が規定されます。

 

・現在Xゼネラリスト:場のかじ取り役

・現在Xスペシャリスト:実践家(その職種におけるチャンピオン)

・未来Xゼネラリスト:プロデューサー

・未来Xスペシャリスト:構想家/設計士

 

企業によって上記4役割の比重は異なります。また、ミドル個人レベルでも異なるのは当然です。我社のミドルには、こういう役割を求めており、そのために会社は全面的に教育支援をしていく、というメッセージを打ちだすことが必要だとおもいます。

 

その上で、研修という手段ではどのようなプログラムを設計するか、それが人材開発担当者の腕の見せ所だと思います。

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このページは、福澤が2010年8月26日 10:40に書いたブログ記事です。

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