もし、あなたが驚くほど美味しく、しかも安いレストランを見つけたとします。その後、どうしますか?たぶん、親しい誰かに教えたくなるでしょう。もしかしたら、その口コミが広がり、その店が有名店になり、予約すら取れなくなる可能性もなくはありません。また、その結果味や値段が変わってしまうこともありえるでしょう。だったら、誰にも教えない方が合理的ではないでしょうか。
でも、ほとんどの人は教えたくなるのでしょうか。それはなぜか?多分、人は喜びや感動を誰かと分かち合いたいという気持ちがDNAに埋め込まれているからだと思います。
もうひとつは、「誰も知らない凄くいいものを、自分が発見したんだ」という自己効用感を、他者からの反応で確認したいのではないでしょうか。いわゆる「自慢」ですね。自己満足だけでは、なかなか自己効用感は味わえないのです。
こういった、人間の特性の実現を、飛躍的に拡張させたのがネットというツールです。でも、自分と大きく志向性が異なる人に伝えたとしても、その反応はかんばしいものではないでしょう。そうすると、似た志向性の人々が集団化する力が働きます。SNSはそれに支えられています。集団の中では、きっと居心地がいいのでしょう。
さて、この後はどうなるのでしょうか?ますます集団の細分化が進むのか、それとも、集団と集団をつなぐ方向に力が働くのか。私は、つなぐ方に行ってもらいたいと思います。
伝えたいという願望は、知りたいという願望と表裏一体です。なんらかの目的のもとで、集団を超えて伝えたい、そして知りたいという願望を満たし、表現する行為がデザインなのではないかと思います。
Wikiによると、デザインとは、「計画を記号に表わす」という意味のラテン語designareが語源で、ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現されることだと解されるそうです。まさに、issue drivenで「つなぐ力」ではないでしょうか。
これから、(広義の)デザインが力を持ってくるのと思います。
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