著者自著を語る: 2009年12月アーカイブ

ロジカル・ディスカッション
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皆さんは、「議論がまとまらなくて困った」という経験はありませんか?
いろんな意見が飛び出して収拾がつかなくなった、堂々巡りの水掛け論が延々と続いている、意固地になって頑として意見を変えようとしない・・・。そんな状態です。

原因の多くは、意見の隔たりが大きいからではありません。誤解や取り違えがあったり、論点や考え方の枠組みがズレていたり、固定概念にとらわれて視野が狭くなっていたりです。隔たりを埋める以前に、議論がちゃんとかみ合っていないのです。


私は、ビジネスや地域活動はもとより、家庭内のいざこざまで、数多くの場面にファシリテーターとして関わってきました。そんな私の経験から得た教訓は、「議論を整理して、きっちりかみ合わせれば、必ず議論はまとまるようになる」というものです。

 

そんな考えに立って、ファシリテータースキル・シリーズの第4弾として『ロジカル・ディスカッション』を執筆しました。


ロジカルな議論を進めるには、①要約、②検証、③整理、④統合、⑤構造化の5つの働きがファシリテーターに求められます。本書では、それを12の基本動作に展開し、具体的な介入フレーズとともに紹介しています。さらに、その能力を鍛えるトレーニング方法もたくさん載せており、付録のフレームワーク集とあわせて、腕前をアップさせるのに活用ください。

 

いろんな意味で困難を抱えている今こそ、みんなで話し合って知恵を絞り出していかなければなりません。人と人の関わりを促進するファシリテーターがこれほど求められている時代はなく、できるだけ多くの人に本書を手に取ってほしいと心から願っています。

 

 

Ac-hori-p.jpg堀公俊(ほり・きみとし)

大阪大学大学院工学研究科修了 ミノルタ(株)を経て、2004年独立。堀公俊事務所代表。2003年に日本ファシリテーション協会を立ち上げ、初代会長に就任。
著書として、

 『ファシリテーション入門』『チーム・ビルディング』『ワークショップ・デザイン』『ファシリテーション・グラフィック』((以上、日本経済新聞出版社) 、『問題解決ファシリテーター』『組織変革ファシリテーター』(以上、東洋経済新報社)、『今すぐできるファシリテーション』『組織を動かすファシリテーションの技術』(以上、PHP)など多数あり。