著者自著を語る: 2009年11月アーカイブ


フロンティア突破の経営力 フロンティア突破の経営力

 

 

本書は、「実戦的な経営戦略書」です。マッキンゼー時代を含め19年間にわたる経営コンサルティングと経営人材開発で、のべ約100社、数百プロジェクト、数千名の経営幹部諸氏とともに「現実の壁」に立ち向かった経験から抽出したエッセンスを表現した作品です。夢と勇気と現場と戦略を融合した世界を表現いたしました。<?xml:namespace prefix = o />

 

本書ではまず、「N=3(少ない情報量)で知る!」や、「30分、3時間、3日間」といったスピード重視のマーケティングや事業の戦略的判断の可能性を例証していきます。ポイントは、臨戦感覚です。

 

たとえば第23章では、わずかN=22のサンプル調査に基づき、サントリービール黒字化の背景にある「市場の立体感」と「マーケティング策の成否のメカニズム」を示していきます。各企業が、「異なる戦略空間」を見ていることや、「古い作戦思想」の影響を受け、戦略的判断の修正に3年から10年以上もかかっているという事実(ビール業界の場合)には、きっと震撼させられることでしょう。類似のことが、どの業界でも起きています。

 

 

本書を経営者の視点でお読みいただくと、スピーディかつシステマティックな経営の采配のための着眼点や、経営人材開発の鍵を読み解かれるかもしれません。

 

さらに、個別事例の検討を通じて、アライアンス/M&A戦略検討の必要性にも気づかれるかもしれません。実際、それらの検討と立案実施が弱い片肺飛行の経営には限界が見えがちです。事業の現実面での経営力が弱いままM&Aにフォーカスする経営も、また挫折しがちであることが示唆されます。これらはいずれも、「得意技の世界だけでは壁が突破できない」という本書の中心テーマの例証と捉えていただくことができるでしょう。

 

 

本書でお伝えしたかったことは、次の一点にあります。

 

「現場現実を解明していくと、打つべき戦略がしばしば想定外の世界、違う次元にあることが判明する。そのとき人も組織も動けなくなる。そのような「壁」を突破するためには、...

 

 本書の根底に流れるメッセージは、「未来創造」への意欲と「勇気」です。人がより幸せで創造的に生きるためのきっかけに、本書がなればと願っています。

 

 

 

Ac-ogawamasa-a.jpg小川 政信(おがわ まさのぶ)

インスパーク株式会社 代表取締役

 

1959年生まれ、東大卒、ハーバードMBA
マッキンゼーでは日米欧亜のクライアント企業とともに、新規事業開発、マーケティング、経営判断・経営ターンアラウンド、R&Dマネジメント、M&A・アライアンス等を経験
1996年独立。 経営の戦略的支援と経営人材の開発を最高の費用対効果で提供するため、インスパーク株式会社を設立。 タスクフォースマネジメントを通しての実戦環境下での経営人材開発、経営力強化などに注力。スピーディで的確なプロジェクトマネジメント力と、人と組織が内側から気づくことを重視する。ミッションを人と組織の生命力を引き出すことと捉え、経営人材の開発と、経営プロジェクト・マネジメントを行う


【著書】
『未来を創る経営者』(生産性出版、グローバル経営者20名の共著、2009年)
『決定版「ベンチャー起業」実戦教本』(プレジデント社、小川政信、大前研一共著、2006年)『アントレプレナー育成講座』(プレジデント社、小川政信、大前研一共著、2003年)など