2010年9月アーカイブ

ビジネススクールで身につける仮説思考と分析力―ポケットMBA〈5〉 (日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫 ブルー う 5-1 ポケットMBA 5)
生方 正也
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「仮説」や「分析」という言葉は、当たり前のように使われています。しかし、いい仮説や分析と悪い仮説や分析の区別はつくが、どうすれば「仮説」や「分析」がよいものになるのかはよくわからない、というのが現状ではないでしょうか。「この仮説はいまいちだな」「こんな分析じゃ使えない」と部下に言うだけで終わらない(あるいは、上司に言われない)ために、「じゃあ、どうすればよい仮説を立てられるのか、よい分析ができるのか」のコツをまとめたのが本書です。

 

本書では、いくつか工夫をしています。考え方を理解する場合、イメージが大切です。具体例がなければイメージできません。本書はほとんどの章で、事例や演習をあげ、その解説を中心に進められていきます。

 

仮説を立案する場合、そのコツは実際の成功事例を見るとよくわかります。そこで、セブン-イレブン、ヤマト運輸、ファーストリテイリングなどの日本を代表する企業、そしてサントリーの大ヒット商品「伊右衛門」など、イメージしやすいものを紹介しています。これらの成功例を丁寧に見ると、「使える」仮説を立てるために驚くほど共通した思考プロセスをたどっていることがわかります。こうした思考パターンを解説していきます。

 

また、分析に関しては、なかなか実例でよい分析を紹介することができません。そこで、演習を用いてそのコツを紹介しています。その紹介の仕方も、よい例だけ、悪い例だけを載せるのではありません。赤ペン先生のように、悪い例に対してはどこが悪いかを添削しながら、よい例はどこを参考にすべきなのかがわかるように示しています。

 

仮説や分析は、その後の行動に大きな影響を及ぼします。ぼんやりとした仮説を立てたり、漠然と分析をしているだけでは、その後の行動も焦点がぼやけて、結局あまり意味のないものになりがちです。単に思考力アップを目指すだけでなく、その先にある行動の精度を高めるためにも、本書をお役立ていただければ幸いです。

 

 

 

Ac-ubukata-a.jpg 生方 正也(うぶかた まさや)

 東京大学文学部卒業。日産自動車を経てウイリアム・エム・マーサー(現マーサー・ジャパン)にて、人事制度改革、組織変革等のコンサルティングに従事。その後グロービスにて、人材開発・人材評価プログラム及び診断テストの開発を手がける。現在はフリーの人材開発コンサルタントとして人材開発体系の設計、評価制度のコンサルティングに加え、経営人材のアセスメントを行う。同時に、論理思考、分析力、問題解決、ファシリテーション等の指導を行っている。著書に「シナリオ構想力実践講座」(ファーストプレス、2008年)、共著に「ロジカル会話問題集」(朝日新聞出版、2008年)がある。現在、雑誌「Think!」(東洋経済新報社)に、「受け手を理解・納得させるコミュニケーションの設計技法」連載中。

 

 

 

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