【自著を語る】高杉 尚孝氏 「論理表現力」

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論理表現力
高杉 尚孝
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皆さん今日は、高杉事務所の高杉です。ロジカル・シンキングやライティングが単なる流行りに終わることなく、真に業務効率の向上につながるスキルとして根づいてもらいたいと私は願っています。その思いから、人材育成の場で培ったノウハウを本書「論理表現力」(日本経済新聞出版社刊)にて公開する決心をいたしました。

 

早いもので、当方、もう二十年近く企業人材育成のお手伝いをしています。特に、日本のビジネスパーソンの弱点とも言える、論理表現力、発表力、精神タフネス、企業財務の知識、ビジネス英語力を中心に、深層心理や言語文化的な視点を取り入れながら、パソコンで言えばOSレベルの「脳力」開発に従事してきました。

 

思えばその間、マッキンゼー社内で培われた「ピラミッド構造」に関する翻訳書を皮切りに、ミーシー的整理方法や分析フレームワークを紹介した、数多くのロジカル・シンキングやライティングに関する指南書が出版されました。同時期、企業研修においても「ロジカル・シンキング」はビジネスパーソンに必須のツールとして広く認知されるに至りました。

 

しかし残念なことに、能力開発の現場でしばし直面するのは、ピラミッド構造やミーシー的個別フレームワークを知識として持っているものの、実務上の問題解決に必ずしも効果的に使えないという現実です。原因はこれらのツールを使いこなすための前提となる、根本的な思考と表現の要素技術の欠如にあると私は痛感するに至りました。さらには、個別ツールが位置づけられる俯瞰的フレームワークの欠如もあります。

 

本書「論理表現力」は、ロジカル・シンキングを実務に活かせるスキルとして習得できる様に、メッセージの種類、テーマや暗黙の命題の概念、論証法、明瞭表現、結論付け、要約化、抽象化など思考表現の要素技術を数多く取り上げています。また俯瞰的なフレームとして、TH法による問題発見と課題設定やSCQOR法によるストーリー展開を解説しています。

 

御社人材育成に本書をぜひご活用下さい。

 

 

    Ac-takasugi-p.jpg高杉 尚孝(たかすぎ ひさたか)

高杉尚孝事務所代表、筑波大学大学院客員教授。

慶應義塾大学経済学部卒、ペンシルバニア大学ウォートンMBA。ニューヨーク証券取引所認定スーパーバイザー・財務アナリスト。アルバート・エリス研究所認定スーパーバイザー・心理セラピスト、同研究所準フェロー。モービル、マッキンゼー、JPモルガンなどに勤務の後、97年に高杉尚孝事務所を設立。以来、論理思考、企業財務理論、メンタルタフネスなどの分野にて、企業研修、日経ビジネススクール、グロービスなどの講師として活躍。著書に「実践・問題解決のセオリー」日経新聞出版、「実践・プレッシャー管理のセオリー」NHK出版、「実践・交渉のセオリー」NHK出版、「論理的思考と交渉のスキル」光文社新書など。NHK教育TV「英語ビジネスワールド」9902年講師。