2010年5月アーカイブ

戦略思考のフレームワーク―未来を洞察する「メタ思考」入門
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世の中の変化スピードが上がっている今日、先を見据えてダイナミックに思考する力や中長期的に先を見通す力が求められています。

 

このような力を身につけるためには、一般的なロジカル・シンキングだけでなく、時間の変化を意識した思考法が必要です。具体的には、中長期に未来を洞察する力です。洞察力を養うためには、自分がどういう考え方をしているのかを認識する力が前提となります。この認識力のことを、私は「思考を思考する力―メタ思考力」と呼んでいます。

 

本書の前半では、メタ思考力を養えるような「思考のフレームワーク」について紹介しました。具体的には、

  モノゴトを論理的に捉えるロジカル・シンキング

  全体を俯瞰するシステム・シンキング

  不確実な未来を見通すシナリオ・シンキング

の3つを紹介し、それぞれの特徴、位置づけや使い方について掘り下げて解説しました。特に、「知っている」だけでなく「使える」ようになるためのポイントについて触れました。

 

後半では、不確実な未来を見通す「シナリオ・シンキング」を実践するための三つのスキル、

  オープンマインド設定スキル

  フレームワーク活用スキル

  プロセスマネジメントスキル

について解説しました。シナリオ・シンキングを使って未来を洞察しビジョンをつくる企業や組織が近年増えつつありますが、組織内のリーダー層がシナリオ・シンキングを組織に導入・活用できるよう、ポイントを絞って解説しました。

 

本書は、私にとっては、初めての「縦書き」での執筆です。「テキスト」っぽくならないように、エピソードをたくさん盛り込み、読みやすさに配慮したつもりです。この十数年携わった、シナリオ・シンキングを活用したコンサルティング・プロジェクトやリアルテーマでの研修の経験も問題ない範囲で紹介しています。

 

組織を挙げて、客観的に未来について考え、主観的に未来を創造していく―本書が、そのようなきっかけづくりの一冊をなることを願っています。

 

 

 

 

Ac-nishimura2-p.jpg西村行功(にしむら みちなり)

一橋大学商学部卒業後、オムロン株式会社にて、マーケティング戦略および全社経営戦略の策定に従事。ミシガン大学経営大学院修士課程修了後(MBA with Distinction)、戦略コンサルティングのコーポレイト・ディレクション(CDI)およびCSC Index(サンフランシスコ事務所)を経て、株式会社 グリーンフィールド コンサルティングを設立。現在、代表取締役。シナリオ・プランニング、中長期事業戦略、新規事業・新商品開発戦略、企業変革、人材育成などの分野を中心に活動している。2001年‐2003年まで、オムロン株式会社のアドバイザリー・ボードメンバー。主な著書として、「知りたいことは「面」に聞け!―分析力と表現力を強化する思考法:面発想」(日本経済新聞出版社)、「シナリオ・シンキング―不確実な未来への「構え」を創る思考法」(ダイヤモンド社)「システム・シンキング入門 (日経文庫)」(日本経済新聞出版社)など。

 

 

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