2010年2月アーカイブ

昨年から、「おとなの社会科」というような内容のセミナーを始めました。ちょっとディープなセミナーなのですが、思った以上に好評です。


ねらいは、社会を見通す力を付けて、自分の仕事と人生にとっての本当の力にしよう、ということで、自分が何をしていけばいいのか、確信を深められるような知識や理解を身につけることです。


グロービスマネジメントスクールや企業研修でたくさんの方に論理思考を教えてきましたが、「考える力だけでは不足で、考える中身が重要だ」と感じてきました。ビジネスを取り巻く「社会」のことをきっちり学び、社会を見る視点(ロジック)を背景にしたプランニングや説明ができる力が不足している。その不足によって、なぜこれをやるべきなのか、やることの意味や価値があるのかを説明できないことが多い。かんたんに言えば、ビジネスのことはわかっても、ビジネスを取り巻く社会のことを知らなすぎることが、今ひとつ力不足を感じさせる理由なのです。


セミナーでこれまで扱ってきたテーマは、「社会学からみた現代日本」「メディアリテラシー」「日本の現代史」で、今年は2月に「ユダヤと米国、民主主義」というテーマを扱います(平日夜に4回シリーズ)。そのあとも、ほぼ毎月何かのテーマでやっていこうと思っています。


セミナーで学ぶのは、まずはfacts。事実として何があるのか。次に事実をつなぐロジック。なぜ社会がこうなっているのかの因果関係(の仮説)を学びます(その際、特定のイデオロギーに偏らないよう注意しています)。このふたつを頭に入れると、受講生は自然に「今の自分の仕事や生活の問題につながりがある」ことに自然に気がついていきます。こういうわけで今があるのか、と。「いままであまりに勉強不足だった」と実感する人もいます。


受講生は20~40代のビジネスパースン。こういうテーマについて学ぶのは高校以来で、それもほとんど覚えていないという人がほとんどです。書店では世界や地理の高校教科書が売れているようですが、その動機ともつながるところがあるのでしょう。


毎回必ず「自分の仕事との対比でどんなことに気がついたか、何ができそうか」を考え、発表しているので、少しずつですが、気づきが生まれる。僕から見ると、「地に足がついた考え方」ができるようになる。「社会を見通す力」が、人の力を図太くするなあと感じながら、セミナーを行っています。


※これまでのところ、セミナータイトルは「人生のwhat?を見つけるセミナー」とネーミングしていますが、近いうちに変更する予定で検討中です。
http://www.chieichiba.net/blog/global_eyes/ioeeea/

 

 

Ac-watanabe-p.jpg渡辺 パコ (わたなべ ぱこ)

株式会社水族館文庫  代表取締役学習院大学文学部哲学科卒 。コピーライターを経て、1990年有限会社水族館文庫 設立 代表就任し本の執筆、コンサルティングを開始
■1997年 講師・研修事業を開始(ロジカルシンキング・リーダーシップ・IT)。グロービスマネジメントスクール講師。ネット上のコミュニティサービス「知恵市場」開始。
■2001年 環境経営の研究と事業を開始。テレワーク実証のため、八ヶ岳南麓にセカンドハウス「六兼屋」開設。「論理力を鍛えるトレーニングブック」18万部ベストセラーに。
■2002年 ライフデザイン分野を事業化。個人向けコンサルティングサービスを開始。
■2004年 総務省過疎対策室 交流居住事業研究委員に就任。
■2006年 株式会社水族館文庫に商号変更。知恵市場リニュアル。
■2007年 山梨県北杜市で植林事業を開始。山梨県北杜市環境審議会審議委員就任。横浜市地球温暖化対策研究部会委員就任(答申案の起草委員)。
■2009年11月民主党政府の行政刷新会議にて、仕分け人(第3ワーキンググループ)

「はじめてのロジカルシンキング」「はじめてのロジカル問題解決」「論理力を鍛えるトレーニングブック」「意思伝達編 論理力を鍛えるトレーニングブック」「環境経営の教科書」など、著書多数。

 

このアーカイブについて

このページには、2010年2月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2010年1月です。

次のアーカイブは2010年3月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.1